IT資産管理ツール選定のきっかけ
ソフトウェアインストール状況の把握
当社では、ソフトウェアをインストールする時は事前にIT推進部へ申請するルールにしており、セキュリティなどの問題がないかチェックした上で許可を出しているが、申請が事後になっていたり、申請そのものを忘れるなどルールが徹底されておらず、ソフトウェアのインストール状況が的確に把握できているとは言い難かった。
機器・ソフトウェアのExcel管理による工数増加とライセンス違反の不安
機器やソフトウェアの管理は、それぞれ別々の台帳をExcelで作成しておこなっていたが、社内PCや持ち出し用ノートPCなどの増加により、台帳のメンテナンスが追い着かなくなってきていた。
また、どの機器に対してどのようなソフトウェアがインストールされているかといった細かい紐づけができていない状態であったため、ライセンス違反が発生するリスクがあった。
指定外USBデバイスの利用によるウイルス感染や情報漏洩への対策
各店舗で報告用に使うデジタルカメラ等のPCへのUSB接続については、既存のシステムを用いて管理していたが、使用可・不可の設定のみで、細かい制限ができていなかった。 指定したUSBデバイスのみ使用できるといった、柔軟な設定が可能なシステムを導入することで、指定外USBデバイスの利用をなくし、ウイルス感染の防止、情報漏洩対策の強化を考えていた。
SS1に決めた理由
シンプルな管理画面と使い慣れた操作性
導入前に他社のツールと比較・検討したが、他社のものは、グラフィカルな表現が多く事務的な作業には向かない印象を受けた。 SS1は画面構成がシンプルであり、使い慣れたExcel調の操作感で情報を検索できる管理画面が好印象だった。
充実した基本機能と最小限のオプション機能で導入コストを低減
SS1は、当社がおこないたいIT資産管理の要件を、基本機能でほぼ満たしており、オプション機能の導入が最小限で済んだ。 また、当社では一部でシンクライアント環境を採用しているが、SS1はシンクライアント環境の管理に特別なオプションを必要とせず、基本機能のみで対応が可能であったため、導入コストを抑えることができた。
導入効果
全国各地にある店舗へのエージェント展開が約20日で完了
店舗のスタッフはITの専門的な知識が少なく、全国892店舗で使用しているPCへのSS1エージェント展開は、本部のスタッフがおこなう必要があった。 そこで、店舗PCにエージェントを展開するにあたっては、IPアドレスを指定するだけでPCへ効率的にエージェントを配布できるSS1リモートインストールツールが役に立った。
大きなトラブルもなくスムーズに展開でき、約20日間で全国の店舗PCにSS1エージェントをインストールできた。
機器とソフトウェアの台帳の一元化
SS1エージェント展開後は、アンケート機能を用いて、機器の使用者に部署名、使用者名を入力してもらうことで、自動収集した機器情報と使用者情報を簡単に紐づけることができた。 また、機器にインストールされているソフトウェア情報も収集できるようになったため、機器台帳とソフトウェア台帳の一元管理が実現できた。
PCのリコールが明らかになった際も、Excel管理の時は台帳と現物の確認に時間がかかっていたが、SS1導入後は、リコール対象のPC使用者を容易に絞りこむことができるようになり、以前よりも迅速に対応することが可能となった。
詳細な制限設定により私物デバイスの利用を制限
SS1のデバイス利用制限機能は、USBメモリだけでなくデジタルカメラについても、シリアル番号を指定した利用制限が可能であった。会社指定のUSBメモリやデジタルカメラのシリアルを登録し、それ以外のデバイスは利用できないように制限しているため、指定外のUSBデバイスの無断利用による情報の持ち出しを防止できている。
セキュリティに不安のあるソフトウェアの利用制限が可能
OSに標準で搭載されているチャットツールなどは、セキュリティに不安があったためルールとして利用を禁止していた。しかし、社員が無断で利用するリスクが残っていたため、SS1のソフトウェア管理機能で利用禁止とすることで、無断利用の不安を解消できた。
IT資産管理の徹底によるセキュリティの強化と管理範囲の拡大
SS1導入後は、ウイルス対策ソフトのバージョンが古いままの機器を発見し是正するなど、IT資産状況の可視化によるセキュリティの強化が可能となった。SS1を利用することで、今までできていなかった理想的なIT資産管理を、人員・工数を割かずに実現できるようになった。
今後の展望
インシデントのデータベース化やリース管理などへの活用
PCのトラブルだけでなく、店舗で使用している機器などの故障履歴をデータベース化し、故障しやすい機器の傾向を分析するなど、今後の予防策に活用していきたい。
また、SS1の契約管理機能を用いてExcelで管理しているリース契約の情報と、機器情報の一元化をおこないたい。