IT資産管理ツール選定のきっかけ
オリンピック開催に備え、セキュリティ強化を検討
2019年当時、オリンピック開催で予想される混乱に対応するためのセキュリティ強化が課題となるなかで、社内セキュリティ体制の見直しが議論として持ち上がった。その際に検討事項の一つとして挙げられたのが「端末管理の徹底」である。
当初は自社開発の管理ツールで端末の機器名やIPアドレス、設置場所を管理していたのだが、それだけでは情報漏洩等が発生した場合に漏洩経路を細かく追跡することが難しいといった課題があり、現状ではセキュリティ対策として不十分だと感じていた。
棚卸業務の効率化を目指して
セキュリティ対策以外でも、特に年一回の棚卸業務の煩雑さに悩んでいた。当時の棚卸業務では、①端末の一覧表を作成して各部署へ配布 ②現物の確認を依頼 ③返却された用紙をもとにシステムに手入力をする、といった工程を踏んでいたため、全ての作業を終えるのに一か月ほどかかっている状態だった。これを1,500台程度の端末を対象におこなうと、毎回膨大な作業工数となってしまう。
部署のメンバーの工数をこのようなクリエイティブでない作業に費やしている状況は思わしくなく、業務改善の一環としても専用ソフトは必要であると考え、導入検討を開始することになった。
SS1に決めた理由
運用工数の削減を実現できる、シンプルな操作性
複数製品に対して製品デモンストレーション/トライアルを実施し比較検討をおこなっていたのだが、特に印象に残ったのがSS1の「シンプルさ」である。そもそも製品導入目的の一つに「管理工数の削減」があるなかで、複雑な操作性によって運用メンバーの工数がかえって増えてしまうような事態は避けたかった。
まずは「ちゃんと管理できる」こと、「日々の運用ができる」ことを検討の中心においたとき、シンプルな操作性で簡単に使いこなせるSS1の管理画面には大きな魅力を感じた。
「必要な機能を最大限使いこなしたい」というニーズに合った価格体系
複雑なオプションがいくつもあったところで、そのすべてを使いこなせない可能性が高い。それよりむしろ必要な機能を最大限使いこなすことに重きを置いていたため、必要なオプションだけを選び取れるSS1の価格体系は理想に合致していた。また不要な機能を実装しなくてよくなるぶん価格も大幅に抑えられたこともあり、最終的にSS1の導入を決定した。
導入効果
豊富な検索項目で、特定機器の抽出もラクラク
以前の自社開発ツールでは「機器No.」「機種」「利用者」程度しか検索できなかったのだが、SS1を導入して検索項目の数が一気に増加したため、さまざまな条件で機器の絞り込みをおこなえるようになった。抽出したい項目を検索窓に入力するだけで素早く結果が表示されるため、とても検索しやすい。
「端末でトラブルが起きた」「IPアドレスが重複してしまい、PCが使えなくなった」といった問い合わせがあった際には、SS1から該当の「機器No.」や「IPアドレス」を検索するだけで機器を特定できるので、後述のリモートコントロール機能とあわせることで日々の業務効率化に役立っている。
ロケーションを問わないヘルプデスク体制を実現
多いときには1日に20件ほどの問い合わせが寄せられるなかで、「SS1リモートコントロール」機能も作業工数削減に一役買ってくれている。「クライアントPCの再起動後も自動でリモート接続を続行できる」といった、以前のツールでは難しかった機能も搭載されているため、各PCに対する設定変更などの対応もとてもラクになった。
また、コロナ禍をきっかけに増加したテレワークにおいて、在宅で勤務する従業員用に貸与したPCへのトラブル対応にも活用している。例えばテレワーク中の従業員から「社内のグループウェアが使えなくなった」という連絡を受けた場合でも、SS1のリモートコントロールだと対象PCがVPNに接続されてさえいれば問題なく遠隔で操作できるため、社外に持ち出されたPCへの対処もスムーズにおこなえるようになった。
セキュリティ強化において、SS1が一つの安心材料に
PC操作/Web閲覧/デバイス使用など、SS1で各種ログを取得できるようになったことで、今後何らかのインシデントが発生した場合でも、随時必要な対応をおこなえるような準備が整ったと感じている。現在はログの収集にとどまっているが、いざとなればSS1で各操作の制限をおこなうこともできるので、万一の際には今以上のセキュリティ強化がおこなえるのだという自信も生まれた。
また、当社では社外に持ち出すPCに対しては必ずワークフロー申請をおこなわなければならない決まりがあるのだが、決裁基準の一つに「SS1のエージェントが端末にインストールされているか否か」という条件を設定している。最近ではセキュリティの観点から取引先に対し「IT資産管理ツールの導入」を求める企業も増えているため、社内外に対し、SS1の存在をある種の安心材料として示せるようになったことも嬉しいポイントである。
今後の展望
棚卸作業など、さらなる管理メンバーの工数削減に期待
今後は、年一回の棚卸作業にSS1を活用することを予定している。そして何より、働いているメンバーの作業がラクになることがもっとも重要であると考えているので、SS1の機能で業務効率化に使えるものがあれば積極的にアイデアを出し合っていきたい。