インベントリ管理とは?収集対象や運用のポイント、ツールによる実現方法を解説

Inventory_main.png

この記事を要約すると

・インベントリ管理は、組織内のIT資産(ハード・ソフト・ライセンスなど)を正確に把握・台帳化し、コスト最適化やセキュリティ強化、コンプライアンス遵守につなげる重要な活動である。

・適切な管理により、遊休資産の可視化・脆弱端末や不正ソフトの早期発見・ライセンス監査への対応といった組織課題の解消が可能となる。

・一方、インベントリ管理を実施する際には、管理対象デバイスの多様化や手作業管理による業務負担が課題となっている。

・インベントリ管理の効率化には専用の管理ツール(例:SS1/SS1クラウド)が有効で、情報の自動収集や一元管理により、作業工数削減・情報精度向上・セキュリティ体制/コンプライアンス強化を実現できる。

インベントリ管理とは、組織が保有するIT資産を正確に把握し、一元的に管理する活動のことです。
PCやサーバーといったハードウェアから、インストールされているソフトウェア、ライセンス情報まで、管理対象は多岐にわたります。

本記事では、インベントリ管理の概要や主な管理対象、実際の運用方法などを詳しくご紹介します。
IT資産の適切な管理によりコスト削減やセキュリティ強化を目指している場合は、ぜひ最後までお読みください。

インベントリ管理とは、IT資産を正確に把握するための活動

trend-isms-4.png

インベントリ管理とは、組織内のIT資産に関する情報を収集し、台帳に記録して最新の状態を維持する一連の活動を意味します。
分かりやすくいうと、「どのようなIT資産を・いくつ・どこで・誰が・どのように使っているか」を可視化することです。

その主な目的は、IT資産のライフサイクル全体(調達、運用、廃棄)を最適化し、遊休資産の削減や不要なコストの抑制、さらにはセキュリティリスクやコンプライアンス違反の防止につなげることにあります。

インベントリ管理で収集・管理する主な情報

trend-ITAM1.png

インベントリ管理では、組織内のIT資産に関するさまざまな情報を網羅的に収集し、管理します。
これらの情報を集約して作成されるインベントリ一覧は、IT資産管理における最も基本的な台帳となり、コスト最適化やセキュリティ対策を計画するうえでの重要な基盤情報として機能します。

台帳内で管理される具体的な情報の例は、以下の通りです。

PCなどのハードウェア情報

ハードウェア情報の管理では、PC・サーバー・プリンタ・ルーターといった物理的な機器に関する詳細な情報を収集します。

具体的には、機器のメーカー名・製品名・シリアル番号・CPUのモデル・メモリ容量・ストレージ容量といったスペック情報が含まれます。

加えて、IPアドレスやMACアドレスといったネットワーク関連の情報も重要な管理項目です。
物理的な設置場所や使用者を紐づけて、資産の所在まで管理する例もあります。

これらの情報を一元管理することで、どの部署で・どのようなスペックの機器が使われているかを正確に把握できるため、機器の調達/更新計画立案トラブル発生時の原因究明などがスムーズになります。

インストールされているソフトウェア情報

組織内のPCやサーバーにどのようなソフトウェアやアプリがインストールされているかを把握することは、インベントリ管理の大切な要素です。
管理対象となる情報には、OSの種類とバージョン・インストールされているアプリケーションの名称・バージョン・提供元などが挙げられます。

ソフトウェア情報を正確に管理できていれば、組織として正式に許可していないソフトウェアの不正利用や、脆弱性が指摘されている古いバージョンのアプリの使用などを検知できます。

これにより、マルウェア感染などのセキュリティリスクを低減させ、IT環境の健全性を維持するための具体的な対策を講じることが可能です。

ソフトウェアライセンスの契約・割り当て状況

ソフトウェアライセンスの管理は、コンプライアンス遵守コスト最適化の観点から非常に重要です。

ライセンス管理においては、保有しているライセンスの種類(パッケージ、サブスクリプションなど)・購入数・有効期限といった契約情報を正確に記録する必要があります。
さらに、そのライセンスがどのPC・どの利用者に割り当てられているかまで紐づけて管理しなくてはなりません。

こうすることで、インストールされているソフトウェアの数と保有ライセンス数に乖離がないかを確認し、ライセンス違反(不正コピー)や、逆にライセンスが余っている状態(余剰コスト)の防止につなげられます。

OSやソフトウェアの更新プログラム適用状況

組織のセキュリティレベルを維持するため、OSやソフトウェアの更新プログラム(セキュリティパッチ)が適切に適用されているかを管理することは、情報システム担当者の重要な責務です。

日々発見される脆弱性を悪用したサイバー攻撃からIT資産を守るには、ベンダーから提供される修正プログラムを迅速に適用しなければなりません。

インベントリ管理を通じて、組織内にあるすべての端末のパッチ適用状況を一覧で把握し、未適用の端末を特定できます。
これにより、脆弱性を放置している危険な状態のPCをなくし、組織全体のセキュリティ水準を均一に保つための対策を効率よく実施することが可能となります。

インベントリ管理を実施する3つのメリット

next-WSUS_demerit1.png

インベントリ管理を適切に実施することで、組織は多くのメリットを享受できます。
具体的には、下記のような組織運営における3つの重要な課題解決に対し、直接的に貢献可能です。

IT資産の無駄をなくしコストを削減できる

インベントリ管理によって、組織内のIT資産の利用状況が明確になるため、無駄なコストの削減につながります。

例えば、実際には使われていないPCやサーバーなどの遊休資産や、特定の部署でしか利用されていないにもかかわらず全社契約しているソフトウェアライセンスなどの特定が可能です。

さらにこれらの遊休資産を必要としている部署へ再配置したり、不要なライセンス契約を見直したりすることで、新規購入費用やライセンス費用を削減できます。

また各PCのスペックの把握は、オーバースペックな機器の導入を防ぎ、IT投資を最適化することにも役立ちます。

セキュリティリスクを早期に発見し対策できる

組織内のすべてのIT資産の構成や状態を把握することは、セキュリティ強化の第一歩です。

インベントリ管理を通じて、各PCにインストールされているソフトウェアを一覧化し、組織のポリシーで許可されていないアプリケーションや、業務に不要なゲームソフトなどがインストールされていないかを確認できます。

加えて、OSや各種ソフトウェアのバージョン、セキュリティパッチの適用状況を監視することで、脆弱性のある端末を即座に特定し、サイバー攻撃の標的となる前に対策を講じられるようになります。

これによって、ウイルス感染や不正アクセス、情報漏洩といったインシデントのリスクを未然に防ぐことが可能です。

コンプライアンス違反のリスクを低減できる

適切なインベントリ管理は、コンプライアンス遵守体制を支える大きな基盤の一つです。
特にソフトウェアライセンス管理の実施によって、保有しているライセンス数と実際にインストールされているソフトウェア数を正確に照合することで、ライセンス契約に違反した不正利用を防げます。

ソフトウェアベンダーによるライセンス監査がおこなわれた際にも、正確なインベントリ情報があれば、適正に管理していることを客観的に証明でき、摘発のリスクを大幅に低減させられるでしょう。

一度でもライセンス違反が発覚してしまえば、高額な罰金や損害賠償が請求されるだけでなく、組織の社会的信用を大きく損なってしまいます。
失った信用を取り戻すのは容易ではないため、インベントリ管理によってこうしたリスクへの対策を講じることは、組織運営において非常に重要です。

インベントリ管理をおこなううえでの課題点

trend-windows-update_08.webp

インベントリ管理は、多くの組織にとってIT資産を適切に運用するための土台となりますが、その実践にはいくつかの共通した課題が存在します。

IT資産の多様化に伴う管理の複雑化

今やPCやサーバーだけでなく、スマートフォン・タブレット・IoT機器など、管理すべきデバイスの種類は多岐にわたり、その数も増え続けています。
これらすべてのインベントリ情報を漏れなく正確に把握し続けることは、非常に困難な作業です。

テレワーク端末など、IT資産を利用する場所の多様化

テレワークやハイブリッドワークといった柔軟な働き方が普及したことにより、IT資産が社外に持ちだされる機会が増え、組織のインベントリ管理が行き届きにくくなっている点も大きな課題といえるでしょう。

加えて、社外のネットワークに接続されたり、私物のデバイスと併用されたりするなかで、セキュリティリスクも高まる傾向にあります。

手作業運用による管理の形骸化

これらのIT資産情報を手作業で収集・更新し続けるには、膨大な時間と人的リソースが必要です。

特に多数のデバイスがある組織では、手動での管理は現実的ではありません。結果として、情報の鮮度が失われたり、入力ミスや更新漏れがおこりやすくなったりして、管理情報が正確性を欠いてしまうことが少なくないのです。

このような状況では、本来の目的であるコスト削減やセキュリティ強化が難しくなり、インベントリ管理自体が形骸化してしまうケースもでてきます。

これらの課題に対処するためには、手作業に頼らない効率的な仕組みの導入が不可欠となります。

インベントリ管理を実現する方法

trend-security-governance2.png

インベントリ管理を実現するには、いくつかの具体的な方法が存在します。

それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、組織の規模、管理対象となるIT資産の数、求める管理レベルなどを考慮し、自組織の実情にあった最適な手法を選択することが重要となります。

■インベントリ管理の主な実現方法
メリットデメリット
Excelによる手動管理 ・低コストではじめられる
・台帳のフォーマットを自由に作成できる
・IT資産の数によっては管理工数が膨大になる
・ヒューマンエラーのリスクがある
専用ツールによる管理 ・手作業による入力の手間やミスがなくなる
・インベントリ管理以外の機能も搭載されているため、IT資産管理体制のレベルが全体的に向上する
・導入/運用コストがかかる

Excel(表計算ソフト)で手動管理する方法

IT資産の数が少ない小規模な組織では、Excelなどの表計算ソフトを利用してインベントリ管理をおこなう方法があります。

新たにツールを導入する必要がなく、低コストではじめられる点が最大のメリットです。
管理台帳のフォーマットを自組織の運用にあわせて自由に作成できる柔軟性もあります。

しかし、この方法はすべて手作業に依存するため、IT資産の増加に比例して管理工数が膨大になります。
情報の入力ミスや更新漏れといったヒューマンエラーが発生しやすく、リアルタイムな情報把握も困難です。

そのため、情報の正確性や網羅性を担保することが難しくなるという大きなデメリットを抱えています。

専用のインベントリ管理ツールを導入する方法

専用のインベントリ管理ツールを導入すると、管理業務の大幅な効率化精度向上が期待できます。

IT資産管理ツールSS1に代表されるようなツールは、ネットワーク上のPCやサーバーからハードウェア・ソフトウェア・ライセンス情報などを自動で収集し、一元的なデータベースを構築します。

これにより、手作業による入力の手間やミスをなくし、常に最新かつ正確な情報にもとづいた管理を実現可能です。

また多くのインベントリ管理ツールは、資産管理機能に加えて「セキュリティパッチの自動適用」や「不正なソフトウェアの使用制限」といった機能も備えているため、導入によってIT資産管理全体のレベルを引きあげられます。

導入/運用コストは発生しますが、工数削減やリスク低減の効果を考慮すると、費用対効果は高いといえるでしょう。

自社にあったインベントリ管理ツールの選び方

log_plan.png

インベントリ管理ツールを導入する際は、数ある製品のなかから自組織に最適なものを選ぶことが成功の鍵を握ります。
例えば、下記のような要素を気にして検討するとよいでしょう。

管理したいIT資産の範囲に対応しているか

インベントリ管理ツールを選定する際、最初に確認すべきは、自社が管理対象としたいIT資産の種類に対応しているかという点です。

WindowsやmacOSといったクライアントPCはもちろんのこと、サーバー・スマートフォン・タブレット、さらにはプリンタやルーターなどのネットワーク機器まで管理範囲に含めたい場合、それらすべてを検知・情報収集できる機能が必要です。

近年は仮想デスクトップ(VDI)などを利用する組織も増えており、物理環境だけでなく仮想環境やクラウド環境も一元管理できるかどうかが重要な選定基準となります。
将来的な管理対象の拡大も視野に入れ、柔軟性と拡張性のあるツールを選ぶことが望ましいでしょう。

クラウド型かオンプレミス型かを確認する

インベントリ管理ツールは、提供形態によってクラウド型とオンプレミス型に大別されます。

オンプレミス型は自組織内に管理サーバーを設置して運用する形態で、セキュリティポリシーにあわせた詳細なカスタマイズが可能ですが、サーバーの購入費用や維持管理のコストと手間がかかります。

一方、クラウド型(SaaS)は、ベンダーが提供するサービスをインターネット経由で利用する形態です。サーバー管理が不要で、比較的低コストかつ短期間で導入できるメリットがあります。

テレワークなどで社外にある端末も管理対象に含めたい場合は、場所を問わずアクセスしやすいクラウド型が適しているケースが多いものです。

操作性やサポート体制は十分か

ツールの機能が豊富でも、管理画面が複雑で使いにくければ日々の運用が滞ってしまいます。
IT担当者が直感的に操作できる分かりやすいインターフェースであるかどうかは、運用効率に直結する大切な要素です。

多くの製品では無料トライアルやデモンストレーションが提供されているため、導入前に実際の使用感を試してみることをおすすめします。

あわせて、導入時の設定支援や運用開始後の技術的な問い合わせに対応してくれるサポート体制の充実度も確認しましょう。

日本語でのサポートが受けられるか、問い合わせ窓口の対応時間、FAQやマニュアルの整備状況などを事前にチェックしておくことで、導入後も安心してツールを利用できます。

インベントリ管理ツールならSS1/SS1クラウド

インベントリ管理における課題を解決し、運用を効率化するにはIT資産管理ツールSS1/SS1クラウドがおすすめです。

SS1/SS1クラウドは、組織内のIT資産情報を自動で収集し、一元的に管理できます。

例えば、ハードウェアやソフトウェアの構成情報を自動で取得・更新し、常に最新のインベントリ情報を維持可能です。これにより、手動管理で発生しがちな入力ミスや更新漏れをなくせます。

参考
関連記事

また、ライセンスの契約情報と実際の利用状況を比較し、コンプライアンス違反のリスクを低減する機能も備わっています。

参考
関連記事

さらに、ソフトウェアのインストール状況やセキュリティパッチの適用状況も可視化できるため、脆弱性を突いた攻撃に対する対策も迅速に実施可能です。

参考
関連記事

SS1/SS1クラウドの詳細は、ぜひ資料請求フォームからご確認ください。

まとめ

trend-windows-update_matome.png

年々IT資産の数は増え続けており、その利用形態も多様化の一途を辿っています。

Excelなどによるインベントリ管理は、情報の陳腐化やヒューマンエラーのリスクを高め、本来の目的であるコスト削減やセキュリティ強化を阻害してしまうことも少なくありません。

専用のインベントリ管理ツールを導入することで、情報の自動収集が可能となり、管理工数の大幅な削減と情報の正確性向上が見込めます。
それは結果として、コストの最適化、セキュリティレベルの向上、コンプライアンス遵守といった経営課題の解決に直結するのです。

適切なインベントリ管理ツールの導入は、組織のIT環境を健全に保ち、持続的な成長を支えるうえで不可欠な投資といえます。
この機会にぜひ、自社の状況にあわせたインベントリ管理ツールの導入をご検討ください。

著者プロフィール
SS1LAB編集部
IT資産管理ツールSS1/SS1クラウドを開発・販売している、株式会社ディー・オー・エスの営業企画部メンバーで構成されています。IT資産管理・ログ管理・情報セキュリティ対策など、情シス業務の効率化に役立つ最新トレンド情報を随時発信中!