パッチ管理のやり方とは?社内PCを効率よく管理する方法を解説

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この記事を要約すると

・脆弱性を狙った攻撃が増加しており、IPA の「情報セキュリティ10大脅威」においても、システムの脆弱性を突く攻撃が上位にランクインしている。パッチ適用は、脆弱性に対する組織の基本的な防御手段の一つである。

・パッチ管理の目的は、最新パッチ情報の取得 → スケジュール策定 → 適用 → 適用状況確認、というサイクルを繰り返すことで、適用漏れや未対応端末を減らすことである。

・更新頻度が高い Windows OS のパッチを手動で管理すると人的コストが膨大になり、適用漏れ・業務停止・システム不安定化などのリスクが高まる。よって、ツールや専用機能の利用が推奨される。

・Windows Updateは無償で始めやすい反面、組織的な一元管理や進捗確認機能に乏しい。一方IT資産管理ツールはパッチ管理に加え、インベントリ収集・ログ取得など幅広く対応でき、柔軟なグルーピング配信が可能だが、コストや導入検討が必要である。

・運用負荷を低減するため、パッチ管理の自動化ツール(特に IT資産管理ツール)を使った運用が推奨され、選定時には自社の運用要件や影響を考慮すべきである。

2026年1月29日、社会的な影響度に応じてIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が毎年発表している「情報セキュリティ10大脅威」の2026年版が公開されました。

本調査では、組織に対する脅威として「ランサム攻撃による被害」「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」「システムの脆弱性を悪用した攻撃」などが上位ランクインしていますが、実はこれらの脅威にはある共通点が存在します。
それは、ソフトウェアやOSの脆弱性を糸口として攻撃を仕掛けているという点です。

そしてIPAでは、このような攻撃に対する基本的な対策の一つとして、ソフトウェアの更新──つまり「パッチ適用」を掲げています。

今回は、パッチ適用をコントロールする「パッチ管理」の概要と、パッチ管理の中でも特にメジャーなWindows OSに対する管理について、各手法の解説やおすすめの管理方法をご紹介します。
Windows UpdateやIT資産管理ツールでの管理におけるメリット・デメリットも解説しますので、Windows OSのパッチ管理でお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

参考

パッチ管理とは?

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パッチ管理とは、OSやソフトウェアに対するパッチ適用を管理者側で制御するプロセスを指します。
もう少しかみ砕いていえば、OSやソフトウェアに生じた脆弱性(バグ)に対し、必要に応じて修正用のプログラムを計画的に上書きしていくことです。

ハードウェア、OS、ファームウェア、アプリケーションなど、パッチ適用の対象は多岐にわたります。
加えて、それぞれのパッチには「パフォーマンス向上のための機能改善」から「新たな脅威に対する脆弱性対策」などが含まれており、その重要度には一定のランクが存在します。

Windows OSにおけるパッチ

・日々開発される新機能の配信
・脆弱性対策のためのセキュリティアップデート
・Windows PC付属のウイルス対策ソフトであるMicrosoft Defenderの定義ファイル更新

上記は、Windows OSにおける主なパッチ種別です。
これらのパッチは、基本的にすべて適用することが望ましいとされていますが、実際にはさまざまな理由で全適用が難しいケースもあるようです。

とはいえ、組織のセキュリティ体制を構築するうえでは、脆弱性対策としてのパッチ適用をおこなわないわけにはいきません。
よって、パッチ適用における問題点をうまく処理しつつ脆弱性対策をおこなうという点において、「パッチ管理」の実施は必要不可欠なのです。

パッチ管理の目的と重要性

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前項で「パッチ管理」の概要について述べましたが、改めてその目的や重要性について掘り下げていきましょう。
パッチ管理の目的は、主に下記の2点に集約されます。

セキュリティリスクへの確実な対応

組織のIT管理者による適切なパッチ管理は、セキュリティ脅威へ対応するもっとも基本的な対策の一つです。
組織の端末にインストールされているOSやソフトウェアに生じた脆弱性について俯瞰的に把握し、IT管理者側が計画性をもって一括対応することで、パッチの適用漏れリスクを未然に防げるようになります。

もしパッチ適用を端末の利用者に一任するなどして管理を怠ってしまうと、各端末でパッチ適用状況の格差が生まれてしまったり、共用PCといった明確な利用者が存在しない端末のパッチ適用が放置されてしまったりと、多くの問題が発生してしまいます。
パッチ適用の担当者を定め、一元的な管理・運用をおこなうことで、セキュリティリスクへ確実に対応できるようになるでしょう。

ビジネスへの影響を回避

多くの場合、パッチ適用には数分から数時間ほどの時間がかかります。もし就業時間内にパッチ適用をおこない、その間端末を操作できなくなってしまうと、業務に支障をきたす恐れがあるでしょう。
また、パッチによっては使用しているOSや既存のシステムとの間に不具合をおこすことも想定されます。影響が広範囲に及んでしまえば、全社的な業務停止に追い込まれ、ビジネスの継続性すら危ぶまれることにもなりかねません。前項で「さまざまな理由でパッチをすべて適用できない場合がある」と述べたのは、こういったケースが存在するからです。

ビジネスへの影響を最小限にするためには、パッチ適用時間のコントロールや適用前の動作確認が必要になります。
これも、パッチ管理をおこなう目的の一つです。

パッチ管理が適切でなかった場合のリスク

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では、パッチ管理が適切におこなわれなかった場合にはどのようなリスクがあるのでしょうか。

セキュリティ上のリスク

特にセキュリティに関するパッチをあてずにいた場合、組織のセキュリティ体制に対する脆弱性を放置することになるため、深刻なセキュリティリスクを抱えてしまいます。

近年増加しているランサムウェア攻撃をはじめ、多くの攻撃者はこうした脆弱性を悪用して不正アクセス機密データ窃取などを実行します。パッチ管理を怠ると、サイバー攻撃被害のターゲットとされる隙を生むことになってしまうのです。

システムの安定稼働に対する悪影響

セキュリティ用途以外にも、パフォーマンス改善バグ修正など、パッチにはさまざまな種類が存在します。
このようなパッチを適用しないでいると、システムの安定的な稼働に大きな問題が生じることがあります。

2023年4月3日、大手航空会社の保有する国内旅客システムで大規模なシステムトラブルが発生しました。
のちにこのトラブルはデータベース内部のシステムエラーが要因であったと判明しますが、そのエラーの大元の原因は既知のバグによるものでした。すでにパッチがリリースされていたのにも関わらず、大手航空会社側が適用を怠っていたのです。

問題発生頻度が極めて稀なバグへの修正パッチについて、手前のシステム安定稼働を優先して適用を見送るケースはよく聞かれます。しかし一度でも問題がおきてしまえば、その後の影響は計り知れないものです。

参考

コストの増加

上述のように、サイバー攻撃被害に遭ったりシステムトラブルが発生したりした場合、その後の対応には多くの人的・金銭的コストが発生します。
システムやデータの復旧作業はもちろん、関連各所への情報連携や顧客に対する謝罪対応などに多くのリソースを割かなければならなくなるのです。

従業員はこれらの作業を通常業務と並行しておこなうことになるため、業務効率に大きな支障が出てしまう恐れがあります。そのような状況が続けば、事業全体に対して甚大なダメージを与える可能性すらあるでしょう。

組織としての信頼低下

パッチ管理を怠り、何らかのインシデントが発生してしまうと、自社の顧客や関連組織からの信頼失墜につながってしまいます。

特に、交通インフラ関連のシステムトラブルやサイバー攻撃による個人情報流出などは、多くの人に影響を及ぼすことが予想されます。そういったインシデントが公に報じられてしまった場合、組織のブランドイメージが大きく低下してしまうでしょう。

一度失った信頼を取り戻すことは非常に困難です。こうした影響は、長期にわたって組織にマイナスの効果をもたらし続けることになります。

特定の業界や国では、罰金や法的措置を受けるリスク

特定の業界や国においては、適切なパッチの適用を義務付けているケースもあります。パッチ管理を怠るとセキュリティ上のリスクを負うだけでなく、罰金や法的措置を受けるリスクが高まるのです。

適切なパッチ管理を実施し、法的リスクを回避しましょう。

パッチ管理の手順

では、パッチ管理とは具体的にどのようにおこなうものなのでしょうか。
ここでは、一般的なパッチ管理の運用サイクルをご紹介します。

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1.最新パッチ・脆弱性情報の収集

ソフトウェアベンダーなどのサービス提供元から公開されている、最新のパッチや脆弱性に関する情報を確認し、組織内にあるIT機器のバージョン情報と見比べます。

これには、ベンダーからの情報を逃さずに把握するのはもちろんのこと、日頃からIT機器に関する台帳の作成・最新情報への更新をおこなっておく必要があります。
ちなみに、導入しているソフトウェアなどについては「SBOM(Software Bill of Materials)」を作成しておくと安心です。
SBOMの詳細や脆弱性対策における必要性については、下記の記事をご参照ください。

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2.パッチ適用のスケジュール作成

パッチ適用においては、端末の適用漏れが発生しないようあらかじめスケジュールを立てておく必要があります。

この際、パッチの適用は業務時間外に実施するなどし、業務に支障が出ないよう計画しましょう。
ネットワークの圧迫を避けるため、グループごとに適用タイミングを分けることも重要です。

3.パッチの適用

パッチを発見したら、該当機器への適用をおこないます。
既存システムとの不具合が懸念される場合は、事前にテスト用の端末でパッチ適用をおこなったあと、一定の期間を空けて全社展開をおこなうといった調整が必要になります。加えて、業務時間外や休日など、パッチ適用に時間がかかったとしてもビジネスに支障をきたさないタイミングでの適用作業も検討すべきでしょう。

また、時折閉域網にある端末やスタンドアロン端末に対するパッチ管理を疎かにするケースも聞かれますが、油断は禁物です。
実際に、2022年に発生した大阪急性期・総合医療センターにおける大規模セキュリティ事故では、閉域網内の端末がランサムウェア被害に遭ってしまいました。

攻撃の起点となったのは協力会社のVPN機器の脆弱性でしたが、侵入した閉域網内のサーバーにウイルス対策ソフトがインストールされていなかっただけでなく、サポート切れの古いOSが使用され続けるといった脆弱性が放置されていたことなどから、大規模な横展開を許してしまったといわれています。

外部接続のない端末だからと安心せず、組織内にあるすべてのIT機器に対してパッチ適用をおこなうようにしましょう。

参考

4.適用状況の確認

パッチを全社展開したあとは、適用漏れがないか一台一台確認します。
チェックリストによるチェックや動作確認などをおこない、対象の端末のパッチ適用が完了しているかどうかをきちんと把握しましょう。
万一漏れや不具合があれば、状況の確認と原因の究明、再度のパッチ適用などをおこないます。
対象端末にすべてパッチが適用されていることを確認できたら、作業終了です。

パッチ管理では、以上の3ステップをパッチが公開されるたびに繰り返すこととなります。パッチ適用は一度実施すれば終わりというものではないため、継続的な対応が必要です。

パッチ管理を成功させる運用のポイント

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パッチ管理プロセスを円滑に進めていくためには、単に手順をこなすだけでなく、リスクを考慮した運用体制を整えることが重要です。
ここでは、システムトラブルを未然に防ぎ、効率的に管理をおこなうための重要なポイントについて解説します。

脆弱性の深刻度に応じた優先順位の決定

公開されるすべてのパッチを即座に適用することは、業務への影響やリソースの観点から現実的ではありません。
そのため、脆弱性の深刻度や緊急度、対象システムの重要性に応じて優先順位を決定することが求められます。

例えば、CVSS(共通脆弱性評価システム)のスコアを参考にしつつ、インターネットに直接接続されている機器や重要情報を扱うサーバへの適用を最優先にするなど、トリアージをおこなうことでリスクを効率的に低減できます。
やみくもに適用するのではなく、明確な基準を持って計画的に進めることが大切です。

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テスト検証と予備計画の策定

パッチ適用によって業務システムが正常に動作しなくなるリスクを避けるため、本番環境への適用の前に、検証機を用いたテストを実施しましょう。
業務で使用するアプリケーションや周辺機器に影響がないかを確認することで、予期せぬトラブルを防げます。

また、万が一不具合が発生した場合に備えて、パッチのアンインストール手順やシステムのロールバック(復元)といった予備計画を立てておくことも重要です。
適用が失敗した際のリスクまで想定し、迅速に通常業務へ復旧できる体制を整えておくことが、安定したパッチ管理には欠かせません。

参考

各部署・担当者の責任範囲の明確化

パッチ管理の工程において、誰がどの作業を担当するのかを明確に定義することが重要です。
例えば、情報システム部門が一括で適用をおこなうのか、あるいは各部門の現場担当者が通知を受けて実施するのかによって、責任の所在や対応フローが異なります。

役割分担が曖昧なままだと、適用漏れが発生した際の原因究明が遅れたり、互いに対応を任せきりにして放置されたりするリスクがあります。
事前に運用ルールを策定し、組織全体で責任の範囲を共有しておきましょう。

現場との認識・用語の統一

IT部門と他部門との間で、パッチ管理に関する認識や用語を統一しておくことも見落とせません。
IT担当者が「パッチを当てる」と伝えても、現場では「アップデート」といわないと通じない場合があり、重要性が正しく伝わらない恐れがあります。

言葉の定義や作業の目的をわかりやすい言葉で共有し、組織全体でセキュリティ意識のレベルをあわせることで、パッチ適用への協力を得やすくなります。

パッチ管理のよくある課題

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パッチ管理の重要性を理解し、運用手順を定めていても、実際の現場では多くの組織が共通の課題に直面します。
管理対象となるIT資産の正確な把握ができていない、配布したパッチの適用状況を完全に追跡できない、テレワークの普及で社外端末の管理が追いつかない、IT担当者のリソース不足、といった問題です。
これらはセキュリティホールを放置する原因となり、管理者の業務負荷を増大させます。

IT資産の正確な把握・管理

パッチ適用の前提として、管理対象となるすべてのハードウェアやソフトウェアの情報を正確に把握する必要があります。
しかし、手作業の台帳管理では、PCの入れ替えやソフトウェアのインストールといった情報の更新が追いつかず、実態との乖離が生じがちです。
また、従業員が許可なく利用するシャドーITなど、管理者が存在を認識していないIT資産も課題となります。

このように管理対象が不明確な状態では、適用すべきパッチを特定できず、管理対象から漏れた端末が脆弱性の温床となり、組織全体のセキュリティホールにつながる恐れがあります。

適用状況の正確な把握

パッチを配布しただけで管理が完了したわけではなく、すべての対象端末へ正常に適用されたかを確認する作業が必須です。
しかし、端末数が多くなるほど、一台ずつ手作業で状況を確認することは非現実的になります。
適用に失敗した端末や、電源オフで未適用のままになっている端末を正確に把握できなければ、それらがセキュリティ上の弱点として放置されることになります。

テレワーク・社外端末のパッチ管理

働き方の多様化に伴い、社内ネットワーク(VPN)に接続しないテレワーク端末や持ち出しPCのパッチ管理が大きな課題となっています。
従来のオンプレミス型の管理サーバー(WSUSなど)では、社内ネットワーク外にある端末へのパッチ配信が難しく、脆弱性が放置されるリスクが高まります。
こうした環境では、インターネット経由でパッチ配信が可能なクラウド型の管理ツールを活用するなど、場所を問わずに端末の状態を把握・更新できる仕組みの導入が推奨されます。

参考

リソース不足

パッチ管理の運用を維持するうえで、担当者のリソース不足は避けて通れない大きな課題です。最新の脆弱性情報を日々収集し、膨大な数の端末に対して適用計画を立てる作業は、手動でおこなうには限界があります。特に、OSやソフトウェアの更新頻度が高まっている現状では、本来の基幹業務を圧迫するほどの工数がかかってしまうケースも少なくありません。

人員が限られている環境では、一台ずつ適用状況を確認する余裕がなくなり、結果として管理漏れが生じるリスクが高まります。このようなリソース不足を解消するためには、人手に頼った運用を見直し、ツールの活用による自動化や効率化を図ることが不可欠です。限られた人的資源を有効に活用できる体制を整えましょう。

パッチ管理の自動化ツールを使おう

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運用におけるさまざまな課題を解決するために開発されたのが、パッチ管理の工程を自動化する専用ツールです。
特にWindows OSパッチにおいては、有償・無償問わずさまざまなツールが公開されているため、自社にあったものを探してみるとよいでしょう。

参考までに、本項では主要な自動化ツール/サービスである「Windows Update」「IT資産管理ツール」についてご紹介します。

Windows Update

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Windows UpdateはMicrosoft社が提供している無償のWindowsパッチ管理ツールです。

Windows UpdateはWindows PC付属のシステムであり、搭載されている端末に対するOSのパッチ管理をおこなえます。Microsoft社のWebサイトにアクセスして配信されたパッチを自動で取得し、各端末へと適用することが主な機能です。

初期設定では「自動更新」となっているため、個別のPCに対して単にパッチをあてていくだけで構わない場合、特に設定変更をおこなう必要はありません。 また、パッチ更新やそれに伴う再起動を実施する日・時間帯についてもある程度制御可能です。 詳しい設定方法などは下記をご参照ください。

参考

IT資産管理ツール

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専用ツールではないものの、IT資産管理ツールでもWindows OSのパッチ管理は可能です。

多くのIT資産管理ツールには、登録端末に対するパッチの配信機能や、適用状況の管理機能が備わっています。
また、Office関連製品のパッチ管理をおこなえるツールもあります。

さらに、Windows OSのバージョン情報以外にもウイルス対策ソフトのワクチンバージョン、インストールされているサードパーティー製ソフトウェアのバージョン情報まで確認できるものがほとんどであり、搭載機能によってはそれらのパッチ管理も可能です。したがって、Windows Updateよりも管理の汎用性は高いと言えるでしょう。

以上のことから、IT資産管理ツールはWindows OSのパッチ以外の適用管理をおこないたい場合に活用されるケースも多くなっています。

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Windows Updateで管理するメリット/デメリット

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では、Windows Updateで管理するメリット/デメリットにはどのようなものがあるのかを見ていきます。

Windows Updateのメリット

Windows Updateのメリットでは、「無料で使える」かつ「サーバーの準備といった環境整備が必要ない」という二点が挙げられます。
Windows PCに標準で搭載されている機能であるため、誰でも自由に利用でき、簡単にパッチ管理をはじめられます。

とりあえずすべてのパッチを適用しておきたいという目的であれば、Windows Updateで十分でしょう。

Windows Updateのデメリット

しかし、組織の端末を一元管理するという意味では機能不足は否めません。

まずWindows Updateで運用する場合、パッチの適用を端末の利用者に一任することになるため、利用者のリテラシーによっては十分なパッチ適用がおこなわれない可能性があります。
加えて、管理者側でパッチ適用の進捗や適用状況を確認する際には、一台一台端末を見て回る必要があるため、組織の端末を一元管理するIT担当者にとっては大きな負担です。

それ以外にも、端末がそれぞれインターネット経由でMicrosoftからパッチをダウンロードしていくという仕様上、新しいパッチが配信されるたびにインターネット回線へ大きな負荷がかかってしまいます。端末の動作が重くなるなどの不具合が発生すれば、業務にも支障をきたしてしまうでしょう。

数十台以上の端末を管理するケースでは、Windows Updateでのパッチ管理にはさまざまな課題が残ってしまいます。

IT資産管理ツールで管理するメリット/デメリット

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では、IT資産管理ツールでのWindows パッチ管理にはどのようなメリット/デメリットがあるのでしょうか。

IT資産管理ツールのメリット

メリットの一つ目は、ツールとしての汎用性の高さです。
IT資産管理ツールには、パッチ管理機能のほかにも「インベントリ収集」「デバイス制限」「ログ取得」などさまざまな機能が搭載されているため、パッチ管理以外のIT運用業務に幅広く利用できます。

また、収集したインベントリ情報などを活用してOUよりもさらに細かくグループ分けをおこなうことも可能です。
OUは基本的に組織の部門構成に則って作成されることが多く、「特定のソフトウェアをインストールしている端末はパッチの配信対象外としたい」といったケースには不得手です。IT資産管理ツールであれば部門以外のさまざまな切り口でグルーピングできるため、柔軟な配信設定をおこなえるようになっています。

そして、一部のIT資産管理製品ではOfficeのアップデートにも対応しています。
このほか、製品によってはサードパーティー製のソフトウェアに対するパッチ管理機能を有しているものもあり、IT資産管理ツールを活用すればより広い範囲のパッチ管理をおこなえるようになります。

パッチ管理を含めた日々の業務の効率化を図れるため、IT資産管理ツールはIT担当者の全体的な負担軽減が期待できるソリューションです。

IT資産管理ツールのデメリット

IT資産管理ツールを導入する際のデメリットとして、有償ツールの場合にはコストが発生する点が挙げられます。
導入にあたっては、パッチ管理だけでなく、他の必要な機能も含めて現状の課題を整理し、自社にとって最も費用対効果が高いIT資産管理ツールはどれかを慎重に検討することが重要です。

近年では、インターネットに接続されている社外端末に対してもパッチ管理が可能なクラウド型のIT資産管理ツールなど、多様なサービスが提供されています。各ツールの機能を比較検討し、自社の運用体制や環境に適したツールを選ぶとよいでしょう。

専任担当者がいない・リソース不足の場合の対策

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情報システム部門がない、あるいは専任のセキュリティ担当者が不在でリソースが足りない組織も少なくありません。
そのような場合は、自社だけで無理に対応しようとせず、統合型のセキュリティシステムを導入して管理を自動化したり、専門ベンダーのサポートを活用したりすることが有効です。

セキュリティ対策は専門的な知識を要するため、素人判断でツールを導入するだけでは不十分なケースがあります。外部の知見や統合管理サービスをうまく取り入れ、限られたリソースでも強固なセキュリティ基盤を構築することを目指しましょう。

パッチ管理を効率よくおこなうために

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パッチ管理は非常に重要なセキュリティ対策ですが、その運用には多大な人的リソースがかかります。

運用のハードルが高いことから、パッチ適用を現場の従業員に一任してしまっている組織も多く存在します。しかし、適用状況の差からセキュリティホールを生んでしまったり、業務中に更新がかかって作業が停滞してしまったり、最悪の場合サイバー攻撃により甚大な被害を受けたりといったリスクを考えると、そういった管理方法はあまり推奨されません。

パッチ管理においては、定められた管理者を設置したうえで、組織の端末全体をきちんとコントロールすることが求められます。
そのうえで、管理者の業務負担軽減・より確実な管理を目指すのであれば、手動管理ではなく自動化ツールの導入がおすすめです。

しかしながら本記事でご説明した通り、自動化ツールにはさまざまな種類が存在します。
自社の状況や担当者のリテラシー・リソースなどを鑑みつつ、それぞれのツールのメリット/デメリットも加味してツール選定をおこないましょう。

パッチ管理の効率化を実現するならSS1がおすすめ!

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もし、Windowsのパッチ管理について「パッチ管理を手軽に実現したい」「パッチ管理以外にもIT運用業務における課題がある」と考えているのであれば、自動化ツールのなかでもIT資産管理ツールが最も適格です。

本記事を監修しているIT資産管理ツール「SS1」リンクアイコンであれば、Windows OSのパッチ取得から適用状況の確認までを効率的に運用できるようになります。

パッチ管理実施事例1:キャタピラー九州株式会社様

Windows大型アップデートの適用管理に「SS1」をお使いいただいている事例です。ネットワーク負荷軽減をおこないながらの配信管理によって、業務への影響を最小限に抑えた運用を実施されています。

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パッチ管理実施事例2:株式会社モトックス様

株式会社モトックス様では、Office 365の更新管理などでSS1をご活用いただいています。そのほか、柔軟な配信グループの設定により、現場の状況にあったパッチ管理を実現されています。

モトックス 神野様

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このように、ディー・オー・エスが提供するIT資産管理ツール「SS1」リンクアイコンには、IT担当者に嬉しい多彩な機能が搭載されています。
また、機能更新プログラムの配信やインターネット経由での配信なども対応可能です。

まとめ

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パッチ管理の目的や、効率的な実施方法について解説しました。

手動でのパッチ管理に限界を感じている場合は、専用ツールでの運用をおすすめします。ツールを選ぶ際は、パッチの動作検証をおこなってから全体展開をしたい・Officeの更新管理までおこないたいなど、自社で実施したい運用方法を鑑みて検討するとよいでしょう。

特に手作業でのパッチ適用作業からの脱却やテレワーク端末へのパッチ管理をお考えであれば、IT資産管理ツール「SS1」リンクアイコンのご導入を検討いただけますと幸いです。

著者プロフィール
SS1LAB編集部
IT資産管理ツールSS1/SS1クラウドを開発・販売している、株式会社ディー・オー・エスの営業企画部メンバーで構成されています。IT資産管理・ログ管理・情報セキュリティ対策など、情シス業務の効率化に役立つ最新トレンド情報を随時発信中!