IT資産管理ツール選定のきっかけ
既存のIT資産管理システムの見直し
当社では、2000年代初頭より2種類のシステムを導入し、各拠点のIT資産管理とセキュリティ対策をおこなっていたが、海外製品であること、 2種類のシステムの併用といった背景から、非常にコスト負荷の高い状況であった。また、システムの全ての機能を使いこなせていたわけではなく、費用対効果が高いとは言い難い状況だった。
さらに、年々PC自体は安価になってきているにも関わらず、資産管理システムは高額のまま使い続けるというコストバランスの悪化も課題となっていたため、システムの見直しを考えるに至った。
USBメモリの情報漏洩対策など時勢に沿った課題を解決できる機能の導入
システムを見直していた当時は、USBメモリによる情報漏洩などに世間の注目が集まっていたが、既存のIT資産管理システムにはデバイス制限の機能が搭載されておらず、これらの脅威に対応することができなかった。このように、時勢に沿った課題を解決できる機能を備えた上で、IT機器への投資額に見合ったコストで導入・運用できるシステムが必要であると考え、本格的なリプレースの検討を開始した。
SS1に決めた理由
必要とする機能の充実と、優れたコストパフォーマンス
資産管理システムのリプレースにあたっては、複数のメンバーで検討をおこなったが、検討した製品の中でもSS1はメンバー内での評価が最も高かった。実際に展示会で機能を確認したところ、リモートコントロールやデバイス制限など当社が要件とした機能を漏れなく備えており、まさに「今欲しい製品とタイムリーに出会えた」という印象であった。
他社の製品と比較して、コストパフォーマンスも非常に優れていたため、リプレースのきっかけとなった「IT資産と管理システムのコストバランスの悪さ」を解消できると判断し、導入を決定するに至った。
国産ソフトウェアならではの安心感
SS1は、国内の大手電機メーカーのIT資産を管理するために開発されたという背景があったため、安心感を持って導入することができた。また、管理画面の派手さなどを強調する製品が多い中、シンプルな設計思想に基づき開発されている点も好感度が高かった。機能面でも海外製品とは異なり、日本国内のIT事情に即した機能追加が見込めるという点も選定要因であった。
導入効果
クライアント機器の動作負荷も少なく、安定したシステム運用を実現
当社ではグループ企業を含めて、約7,000台の機器にSS1エージェントをインストールしているが、インストールしていることがわからないほどクライアント機器への動作負荷が少なく、安定して運用できている。
また、情報システム室とヘルプデスク専門のスタッフでSS1を共用しているが、SS1では管理者ごとの細かい権限設定が可能であるため、ヘルプデスクスタッフは情報を閲覧できる範囲を制限するなど、機能を限定して利用させることができる。その結果、安全かつ効率的にIT資産の管理・運用業務を分担できるようになった。
チャットツールなど、使わせたくないソフトウェアのインストール状況の監視
当社では「ログの取得などで利用状況をトレースできないソフトウェアは利用しない」というセキュリティポリシーがあるため、情報システム室が許可しないソフトウェアの利用について、SS1を用いて監視している。
例えば、チャットツールなどの許可しないソフトウェアが勝手にインストールされた場合には、管理者にアラート通知される設定となっており、必要に応じてインストールしたユーザーへ直接連絡したり、全社的な注意喚起をおこなっている。このように、SS1で収集したインベントリ情報を、セキュアなソフトウェア環境の維持に活用している。
管理者目線で便利なリモートコントロール機能の活用
管理対象機器の設定変更やメンテナンスに、SS1の「リモートコントロール機能」を活用している。SS1では、リモート接続の際に、ユーザー側の承認や再起動が不要であるため、離席時や昼休みなど、管理者の都合の良い時にメンテナンス作業を実施できる。また、ITスタッフのいない拠点の機器に関しても、その場へ実際に赴くことなく対応できるため、非常に効率的にメンテナンス業務をおこなえるようになった。
ファイル配布を駆使したIT環境の均一化
例えば、管理対象機器のパッチ適用状況をSS1で確認し、必要なパッチをピンポイントで配布したり、必要なソフトウェアがインストールされていない機器に関しては、当該ソフトウェアのインストーラーを配布するといった運用をおこなっている。
OSやソフトウェア利用状況の確認と均一化をSS1で一元的におこなうことで、システムトラブルの回避やセキュリティレベルの維持を効率的に実現できた。
意図しないネットワーク接続の監視
当社の無線ネットワークは、持ち込んだ機器を簡単に接続できないように強固なセキュリティ対策が施されている。
また、有線LAN接続に関しても、情報システム室が把握していないIT機器のネットワーク接続がないか、SS1の「未登録PC管理機能」を活用して定期的にチェックしている。このように、ネットワーク環境の適正化にも、SS1を活用している。
今後の展望
デバイス制限機能の活用
今後は、SS1の「デバイス制限管理機能」を活用し、USBメモリなどの外部デバイス利用ルールのさらなる徹底と、安全な運用体制を確立していきたい。