IT資産管理ツール選定のきっかけ
上場を見据えた内部統制/セキュリティ強化
IT資産管理ツール導入以前、当社は上場の準備を進めていた。上場にあたっては、内部統制の一環としてIT資産の適切な管理やセキュリティ強化が必要になるのだが、当時はExcel台帳でIT資産管理をおこなっていたため、現状の管理のままでは上場企業として十分な体制を整えることが難しいと感じていた。このような事情から「専用ツールが必要である」という結論に至り、導入の検討を開始した。
ISMS監査対策に向けた、Excel台帳管理からの脱却
上述の理由以外に、定期的におこなわれるISMS監査対応も、Excel台帳管理からの脱却を検討したきっかけの1つである。ネットワーク構成や利用しているソフトウェアのバージョン情報といったさまざまな監査項目があるなかで、当時はそれらに対応するための情報収集作業に非常に多くの手間がかかっていた。また管理するPC台数が100台を超えたあたりから、業務負担も大きくなってきていたこともあり、このような業務を効率化するという意味でも、手作業での端末管理から専用ツールでの管理に切り替える案が加速していった。
SS1に決めた理由
うわべだけでない、「現場をわかってる」と感じられる対応力
他社製品と比較検討するなかで、SS1の担当者からは提案の内容や対応を通じて「(開発者として)きちんと現場のことを考えているんだな」というのが伝わり、いい意味での“泥くささ”が感じ取れた。また、当社として必要としていた機能を網羅した製品であることはもちろん、SS1の無駄をそぎ落としたシンプルな画面構成などからも「UIに洒落っ気はないが、使い勝手がよく技術屋好みの仕様である」と感じられ、「うわべだけの製品ではない」と思ったことも選定のポイントとなった。
製品の柔軟性と価格面での優位性
SS1はオプション機能を選んで導入することが可能であるため、こちらが必要としている機能要件を過不足なく満たすことができた。さらに、当初別のツールで運用していたログ取得についてもSS1で統合できることがわかり、ツール統合によってコスト削減になると考えた。そういった製品としての柔軟性や価格面での優位性もあり、導入を決定した。
導入効果
ISMS監査の対応業務や棚卸作業の効率化に大活躍
SS1の導入により、監査対応が非常に楽になった。例えば、「ソフトウェアのバージョンが最新になっているか」などといった監査項目も、事務所のレイアウトを背景にしてSS1で作成した「機器設置図」から「機器情報」へ遷移し、システム情報・ソフトウェア情報を確認いただけるので、監査員の方からも「しっかり管理できている」との評価を得られている。
また、Windowsの更新状況(OSバージョン、OSビルド情報)や、ソフトウェア台帳よりバージョン別の標準製品リストや指定したアプリがインストールされている機器一覧などをスムーズに抽出し調査できるため、棚卸の際にも大いに活用している。
ログ収集による深夜帯作業の可視化
IT統制のチェック項目である不正アクセスを調査する際、深夜時間・祝祭日の稼働状況の確認についても、SS1のログ取得機能を活用している。SS1では、検索機能やフィルタリング機能などを用いることで、管理画面上であらかじめ必要な項目のみを抽出するといったデータ加工をおこなうことができる。さらに、その内容をそのままExcel出力することで簡単に報告書を作成できるため、大変助かっている。
また、SS1のPC操作ログ機能では、通常のクライアント端末内のログだけでなくサーバーに対する操作ログも取得できるため、それまで別の専用ツールで運用していた部分もSS1で統合できるようになった。
離れた場所にあるPCに対する作業を、遠隔操作で完結
業務用ソフトのパッチ適用やPCトラブルの対処など日々寄せられる問い合わせに対して、SS1のリモートコントロール機能を活用している。例えば、各端末には管理者権限を付与していないためワークフローで決裁された「ソフトウェアの追加インストール」などは、 Admin権限でリモートインストール作業を実施している。
今後の展望
持ち出し端末や関連子会社の機器など、管理対象の範囲拡大
現在、 SS1 のオプションサービスである「インターネットエージェント」の利用を検討中である。このサービスによって、VPNに接続されていない端末に対してもインターネット経由で情報を収集できるようになるため、社外に持ち出された端末に対する管理強化につながればと考えている。
また、当社にはいくつか関連子会社やグループ企業などがあるが、そこにもSS1を導入することでさらなる端末管理の範囲拡大も実現していきたい。