IT資産管理ツール選定のきっかけ
二分化された管理体制による状況把握の難しさ
以前は、国内各拠点のPCやソフトウェアなどのIT資産管理を、エリアごとに東京本社と大阪支店で二分化していた。それぞれExcelやデータベースソフトを用いて管理していたが、お互いの状況の連携などに手間がかかることや、メンテナンス性の悪さに不満を感じていた。このような背景から、管理の一元化と業務効率化が図れるツールの導入検討を始めた。
手間がかかっていたリース契約やソフトウェアなどの予算管理
当社は、PCなどのIT資産を全てリース契約にて調達しており、管理部で一括発注して各部署に提供している。中途入社や部署異動の際は、その都度必要となったタイミングでPCを発注するため、リース契約の開始時期もバラバラであり、管理が複雑だった。また、ソフトウェアの調達窓口も東京と大阪で分かれていたため、予算管理に手間がかかっており、このような状況も改善したかった。このため、リース契約情報とソフトウェア購入予算の正確な管理が実現できる機能を持ち合わせたツールの導入が必要であった。
SS1に決めた理由
詳細な契約管理など、当社が思い描くIT資産管理機能の充実
ツール導入の情報収集のため、展示会などで10製品以上の説明を聞き、詳細な比較表を作成しながら部署内で検討を重ねた。他社製品はセキュリティツールにIT資産管理機能を付け足したような印象を受けたが、SS1はIT資産管理を主軸とした製品設計であり、当社の必要とする詳細なリース契約・予算の管理がおこなえる契約管理機能がとりわけ充実していた。シンプルな見た目や操作性も、当社の運用とマッチした管理をスムーズに実現できると感じ、SS1の導入を決めた。
IT資産管理ツール導入の方針に当てはまった機能体系
IT資産管理ツールを導入するにあたって、まずはIT資産管理の徹底により基盤を整えた後、社内規則の見直しを含めたセキュリティ強化の実施という二段階のテーマを掲げていた。そのため、PCなどのログを収集・管理できる機能を備えていることも重要だった。SS1は、IT資産管理機能の充実に加えてさまざまなログ管理機能を備えており、必要に応じて機能を追加できるため、当社の方針にあった管理体制の強化が実現できる点が魅力的だった。
導入効果
二分化されていた管理体制の統一による正確なIT資産管理
SS1を導入したことで東京本社と大阪支店のIT資産管理を一元化できたため、PCやソフトウェアの利用状況の正確な把握が可能となり業務効率化が図れた。また、Active Directory連携機能によりユーザーアカウント情報をSS1に自動反映できるため、以前は出来ていなかった機器情報と使用者の紐づけが容易になり「誰が」「どのPC」を使用しているかを判別できるようになった。PCの未使用期間をチェックすることも可能で、使用状況の把握にも役立っている。
あらゆる費用をSS1に登録し、契約管理を効率化
SS1の契約管理機能により、複雑だったリース契約情報、ソフトウェアの購入予算を一元管理できるようになった。例えば、PC本体のリース契約にあわせて必要となるソフトウェアの費用を合算し、PC1台当たりのコストを算出したうえで、部署ごとに毎月どれぐらい予算が必要かといった計画にも、SS1を役立てている。さらに当社では、サーバー構築費やシステム開発費などITに関わるあらゆる費用をSS1に登録し、リース契約に限らず経費の管理にも活用している。
GSIクレオス様 SS1契約管理画面 (画像は一部加工を施しております)
アンケート機能の活用で、USBデバイスに関する調査を速やかに実施
情報セキュリティに関する社内規則の見直しのため、SS1のアンケート機能を活用して、社員にUSBデバイスの利用に関するアンケート調査をおこなった。選択式や記述式など入力フォームを細かく簡単に設定し、各PCに一斉配信して自動集計できるため、多大な工数を割くことなくUSBデバイス利用の実態調査をおこなうことができた。
フリーメールやWebストレージの制限による情報漏洩対策の強化
インターネットを介した情報漏洩への対策として、フリーメールやオンラインストレージ、ファイル転送サイトなどのWebサービスの閲覧を禁止している。対策実施にあたっては社内の反発も予想されたため、事前に説明会を開催し、Webサイトの閲覧ログ取得の必要性、閲覧禁止に該当するサイトを周知することで、スムーズに運用を始められた。また、ログの取得を社員に共有したことが違反行為の抑止になり、情報報漏洩のリスク軽減につながった。
効率的なヘルプデスク対応と、安全性の高いソフトウェア運用の実現
SS1を導入する以前はヘルプデスク対応のために現地へ赴くこともあったが、現在はSS1のリモートコントロール機能で、自席から直接対応することが可能となり、大幅な工数削減につながった。Flashのバージョンアップやスクリプトの配信なども、SS1のファイル配布機能を活用して効率化できている。
また、当社ではソフトウェアのインストールを申請制としており、事前に安全であると確認できたもののみ利用を許可している。無断インストールがないかをSS1で確認し、違反があればアンインストールを促すといった運用をおこなっている。
今後の展望
利用状況に即したUSBデバイス運用によるセキュリティ強化
USBデバイスの利用に関するアンケートで集めた意見を取り入れながら、業務に支障が出ない範囲でUSBデバイスの使用可/不可などの利用制限を実施し、ログの確認による違反行為のチェックなどもおこなっていきたい。