IT資産管理ツール選定のきっかけ
全国にある工場、子会社の端末の統合管理
当社は、東京の本社・支社のほか、全国の各エリアに支店・営業所・開発拠点・生産拠点をかまえている。また、関係子会社も複数あり、それぞれで使用しているPCなどのIT資産の状況を把握するために、少数の担当者でもそれらのIT資産を統合管理できる、使いやすい専用ソフトを導入する必要性があった。
Windowsのバージョン、ビルド情報の把握
既存のIT資産管理ツールでは、WSUSで実施しているWindowsアップデートの適用状況の把握ができず、セキュリティ・運用面でも課題のある状態だった。当時Windows10への移行を進めていたなかで、今後よりOSのバージョンやビルド情報の把握が重要となることも予想されたため、アップデート状況を適切に把握できるソフトが望ましいと考えていた。
SS1に決めた理由
コストも機能も“ちょうどいい”SS1
製品選定にあたっては、当部のほか人事部の意見も取り入れた背景から、PC稼働ログの取得やActive Directory連携の機能も必須として、SS1を含めた4製品を検討対象とした。1社はPC稼働ログの機能が十分でなく、もう1社はWSUSと連携したアップデート状況の把握が不十分、さらにもう1社は機能要件は満たすものの、コストや運用負担が大きいことがネックだった。その点、SS1は要件を満たしながらもコストバランスが良く、当社にとって“ちょうどいい”製品であった。
長期利用を見越した、製品・担当メンバーへの信頼感
IT資産管理ツールは長期利用を想定したものであるため、製品そのものだけでなく、なんでも親身に相談に乗ってくれる姿勢を持った担当者がいるという信頼感も重要だった。SS1、ディー・オー・エスとは、数年の検討期間を通じて密な関係性を築けたことで、今後も長い付き合いができると判断し導入を決定するに至った。
導入効果
インシデント管理とリモート接続が、ヘルプデスク業務の強力な武器に
全国各地にある工場や子会社のPCを、限られたメンバーで管理し、同時にヘルプデスク対応もおこなっている。PCの故障からパスワードの紛失、Teamsの操作に関する相談など、毎日さまざまな問い合わせがくるなかで、その対応履歴をデータベース化できるSS1のインシデント管理機能と、遠隔操作で直接対応が可能なリモートコントロール機能が役立っている。
SS1導入以前はWindows標準のリモートデスクトップを使用していたが、利用者のユーザー権限を絞っていることから、利用者に管理者権限でログインしなおしてもらうなどの準備が必要で、接続するまで15~30分かかることもあった。SS1ではそのような手間なしに、管理画面のボタンひとつでリモート接続でき、お互いに画面をみながら問題解決ができる。
ヘルプデスク対応でトラブルの原因究明をおこなう際は、電話で事情をヒアリングするより画面を見れば明らかになることが多く、対処が非常にスムーズになった。
また、その対応結果はインシデント管理機能に機器情報と紐づけて蓄積しており、以降の対応の効率化にもつながっている。
アズビル金門様 インシデント管理 情報登録イメージ(画像は一部加工を施しております)
詳細な状況把握による、時代の変化にあわせた機器管理
以前はWSUSで配信したWindowsアップデートが各機器に適用されているか確認することができなかったが、SS1導入により詳細な状況把握が可能になった。業務に支障を与えないことが検証できた新しい更新プログラムを適用しつつ、Microsoftなどのサポート対象外にあたる古いバージョンの機器がないようにチェックできる体制を整えられた。
さらに当社では、アンチウイルスソフトのバージョンアップの状況確認にも活用しており、遠隔拠点、在宅などのさまざまな環境があるなかで、セキュリティ対策に関わる情報を統合管理できることは大変有益だと感じている。
使いやすい&サポートが手厚いから活用の幅が広い
SS1は起動も速く、見たい情報を即座に把握できる。また、サポート体制も手厚く、初歩的な質問から運用相談に至るまでスピーディに回答がもらえるため、部署異動で配属されたばかりのメンバーも安心して活用できている。
2022年にサポート終了するInternet Explorer(IE)については、ヘルプデスクに相談した内容をふまえ、SS1で使用制限し、利用者にサポート終了に関するメッセージを表示する運用を考えている。
勤怠管理システムと、SS1のPC稼働ログのデータを比較
人事部もからめて、労務管理としてSS1を全社的にも活用している。具体的には、勤怠管理システムで取得している出勤・退勤情報と、SS1で取得しているPCの稼働状況に差異がないか、各グループのマネージャーにて確認をおこなっており、客観的なデータをもとにした長時間労働やカラ残業などの状況把握が可能になった。このような運用をおこなったうえで、気になる点があれば、グループごとに業務状況にあわせて改善を図る運用をとっている。
今後の展望
強化されたインシデント管理やBitLocker管理の活用
現状活用しているインシデント管理機能について、次バージョン「ver.13」では、蓄積したインシデント情報を利用者も参照できるようになる。できるだけ利用者内で問題解決できる状況にしながら、問い合わせの一時窓口をSS1に絞るなど検討し、さらなる業務の円滑化、ヘルプデスク業務の効率化を進めたい。
BitLocker管理についても、暗号化強制や解除防止ができるため、現状利用している別ツールの見直しも視野に入れている。SS1は定期的にバージョンアップされるため、その拡張性を活かせるよう新機能も積極的に利用していきたい。