Microsoft Intuneとは?WSUS終了後の選択肢!

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WSUSのサポート終了に伴い、企業は新たなWindows Updateの管理方法を見つける必要があります。特に、情報システム部門の担当者は、効率的かつコストを抑えられる解決策を見つけていかなければなりません。

Microsoft IntuneWindows Autopatchは、その候補として注目されています。本記事では、Microsoft IntuneやWindows Autopatchについて解説します。今後のWindows Updateの管理方法で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

WSUS終了と新たな更新管理の必要性について

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Microsoftは、WSUS(Windows Server Update Services)のサポート終了を2024年9月20日に発表しました。これにより、多くの企業で新たなWindows Updateの管理方法を検討する必要が生じています。

特にクラウド技術の進化やリモートワークの普及に伴い、従来のオンプレミス型の更新管理だけでは対応が難しくなっています。そのため、より効率的でセキュアな更新管理が求められているのです。
WSUSの代替としては、後述するMicrosoft IntuneWindows Autopatch、そしてIT資産管理ツールが注目されています。

参考

WSUS終了に伴って今後検討される代替ツール

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WSUSの終了により、企業はWindows更新を適切に管理するため、新たなツールを導入していかなければなりません。具体的には、下記3つのツールです。

● Microsoft Intune
● Windows Autopatch
● IT資産管理ツール

Microsoft Intune

Microsoft Intuneは、クラウドベースのデバイス管理ツールであり、組織内のPCやモバイルデバイス、アプリケーションをリモートで一元管理できます。

Intuneでは、WSUSを介さずにWindows Updateの管理をおこなうことが可能です。これにより、更新プログラムの配布や適用がクラウドから直接実行されます。

また、Intuneのレポート機能を活用することで、デバイスごとの更新状況を可視化し、適用に成功したか・失敗したかなどの詳細なステータスを確認可能です。

クラウドを活用すれば、従来のオンプレミス型管理と比較して、運用が簡略化され、より柔軟で効率的に管理できます。
また、セキュリティポリシーの適用やアプリケーションの配布もリモートでおこなえるため、リモートワーク環境にも適しているでしょう。

参考

Windows Autopatch

Windows Autopatchは、Windows OSやMicrosoft 365などの更新管理を自動化するサービスです。
更新プログラムの段階的な展開から適用進捗の管理など、従来は企業のIT管理者がおこなわなければならなかった業務の一部をMicrosoft側に一任できます。

ちなみに、Windows AutopatchはMicrosoft IntuneMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)との連携を前提としたソリューションです。そのほかのライセンス要件や前提条件等は、Microsoft公式サイトをご参照ください。

参考

IT資産管理ツール

IT資産管理ツールは、企業内のハードウェアやソフトウェア資産を一元管理するためのツールです。資産のライフサイクル全体を包括的に管理・運用できます。

ツールのなかには、Windows Updateの管理機能を備えたものもあり、効率的な更新管理が可能です。これにより、デバイスやソフトウェアのセキュリティを維持しつつ、IT資産の運用効率を向上させられます。

Microsoft Intuneのメリット

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Microsoft Intuneは、クラウドベースのデバイス管理ツールとして、企業のIT管理を効率化します。具体的なメリットは以下の通りです。

● クラウドで管理できる
● デバイスとアプリケーションを一元的に管理できる

それぞれのメリットを解説します

クラウドで管理できる

Microsoft Intuneは、クラウド上でデバイスを管理できるため、場所を問わずにWindowsデバイスやモバイルデバイスの更新管理が可能です。

オンプレミスのインフラが不要になれば、物理的なサーバーの維持管理が不要となり、システム管理が簡素化されます。また、クラウドによる管理はスケーラビリティに優れているため、組織の規模に応じて柔軟に拡張可能です。

デバイスとアプリケーションを一元的に管理できる

Microsoft Intuneは、Windowsデバイスだけでなく、iOSAndroidなどのモバイルデバイスや各種アプリケーションを一括して管理できます。

これにより、企業内で使用するさまざまなデバイスの設定やポリシー適用、セキュリティ管理を一元化し、管理負担を大幅に軽減できます。
複数のプラットフォームをまたぐIT環境においても、一貫した管理が可能になる点が大きなメリットとなるでしょう。

Microsoft Intuneのデメリット

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Microsoft Intuneは多機能で便利なクラウドベースの管理ツールですが、導入や運用において以下のデメリットが存在します。

● ネットワークに依存する
● 初期設定と運用の複雑さ

それぞれのデメリットを解説します。

ネットワークに依存する

Microsoft Intuneはクラウドで完結する管理ツールであるため、ネットワーク接続が必須です。もしネットワークが利用できない状況に陥った場合、デバイスへのアクセスや管理ができなくなってしまいます。

また、ネットワークの速度が遅いと、設定の適用や更新配信の速度が低下し、全体の業務効率にも悪影響を及ぼす可能性があります。業務で活用するためには、安定したネットワーク環境の整備が欠かせません。

初期設定と運用の複雑さ

Microsoft Intuneを導入する際には、初期設定に多くの時間と労力がかかります。特に、デバイスやユーザーごとのポリシー設定をおこなう際には、細かい設定が必要です。

また、運用においても専門知識が求められ、管理者は導入後も適切に運用できるよう継続的なメンテナンスや管理をしていかなければなりません。これにより、場合によっては追加のリソーストレーニングが必要になる場合があるでしょう。

Windows Autopatchのメリット

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Windows Autopatchには、以下のメリットがあります。

● 自動更新による管理負担の軽減
● ユーザーへの影響を最小限にできる

それぞれ解説します。

自動更新による管理負担の軽減

Windows Autopatchでは、更新作業が自動化されるため、管理者が手動で更新を確認し適用する手間が大幅に減少します。
このサービスでは、Microsoftのエンジニアが更新プログラムのリリース状況を監視し、段階的にロールアウトするため、ユーザーはMicrosoftに一定の管理業務を委任することが可能です。

具体的には、更新プログラムの選定や適用スケジュールの策定、更新の展開から適用状況の監視、一時停止やロールバックの判断までがMicrosoftによって管理されます。
これにより、IT管理者が個別にデバイスごとの更新を追跡する手間が省け、セキュリティパッチや機能更新の漏れも防止されます。

ユーザーへの影響を最小限にできる

Windows Autopatchは、自動でアップデートをリリースする際に、互換性安定性を考慮して配布をおこないます。このため、ユーザー側でのトラブルが少なく、更新による再起動で業務が中断されるリスクも最小限に抑えられます。

自動適用すると、互換性の不具合によるOSトラブルを回避できるため、業務影響を最小限にした運用が可能です。

Windows Autopatchのデメリット

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Windows Autopatchは便利な自動更新ツールですが、導入や運用にはいくつかのデメリットも存在します。具体的には、下記のデメリットです。

● 専用のライセンスが必要
● 専門的な知識が必要

それぞれ解説します。

専用のライセンスが必要

Windows Autopatchを利用するには、Microsoft 365 E3以降のライセンスが必要です。そのため、既存のライセンスが異なる場合は、追加でコストが発生する可能性があります。

導入コストが高くなりがちであるため、費用対効果を考慮しなければなりません。また、ライセンスの条件やプランについても事前の確認が重要です。

参考

専門的な知識が必要

Windows AutopatchはMicrosoft Intuneと密接に連携して動作するため、両方のツールに関する専門的な知識が必要です。特に初期設定やポリシーの調整をおこなう際には、どちらの仕組みについても理解しておかなければなりません。

また、トラブル発生時の対応には経験が必要で、IT管理者には高いスキルが求められるため、適切な人材の確保やトレーニングが課題となる場合があります。

IntuneにAutopatchを組み合わせたWindows Update管理

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Microsoft IntuneとWindows Autopatchを組み合わせることで、Windows Updateの管理がより簡単かつ自動化され、管理効率が向上します。

Intuneでは、更新スケジュール再起動のタイミングをデバイスごとに設定でき、管理者が柔軟にコントロールすることが可能です。一方、Windows AutopatchはMicrosoftが提供する自動管理機能で、更新プログラムの選定から段階的な配信問題発生時の監視までを一括で実施します。

問題が発生した場合には自動的に更新を一時停止できるため、迅速な対応とリスクの軽減が可能です。この組み合わせにより、常に最新のセキュリティパッチや機能更新が適用され、管理者の負担を軽減しつつ、組織全体の安全性と運用効率が向上します。

IntuneやAutopatchは有料のため、IT資産管理ツールがより効果的

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Microsoft IntuneやWindows Autopatchは多機能で強力な管理ツールですが、いずれも有料であるため、すべての企業に適しているわけではありません。

よりシンプルでコストパフォーマンスの高い更新管理を求める企業にとっては、IT資産管理ツールの導入が推奨されます。IT資産管理ツールは基本的な更新管理に加えて、資産のライフサイクル管理も可能であり、費用対効果が高い点が特徴です。

また、Microsoft IntuneやWindows Autopatchに比べて、専門的な知識も求められないため、比較的容易に導入できます。

IT資産管理ツールでWindows Updateを実施するメリット

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IT資産管理ツールを活用すると、IT資産の管理とWindows Updateを一元化し、効率的な管理が実現できます。具体的なメリットは以下のような内容です。

● IT資産の効率的な管理
● ハードウェア情報との付け合わせが不要なシンプルな管理

それぞれ解説します。

IT資産の効率的な管理

IT資産管理ツールを導入するメリットは、IT資産の管理とWindows Updateの適用を一元的におこなえる点です。

手動でデバイス情報とアップデート状況を個別に管理する場合、デバイスごとに配信進捗の確認が必要で非常に手間がかかります。
しかし、IT資産管理ツールを導入すれば、デバイスの情報をリアルタイムで取得しながら更新作業も自動化できるため、業務効率が格段に向上します。

ハードウェア情報との付け合わせが不要なシンプルな管理

従来の方法では、デバイスのハードウェア情報を確認し、それに基づいてWindows Updateを適用する必要がありましたが、IT資産管理ツールではその手間が不要です。

例えばWSUSで運用する場合、各デバイスの型番や使用状況を手動で調べたうえで、更新の可否を個別に判断しなければなりません。

また、どのデバイスが誰のものであるかを常に確認し、適用すべき更新や適用してはならない更新を判断する必要もありました。システム間での照合作業が求められるため、手間も多く、人的ミスのリスクもあるでしょう。

しかし、IT資産管理ツールを使用すれば、利用者とデバイス情報が自動でリンクされ、どのデバイスが誰のもので、どのバージョンが適用されているかをリアルタイムに一目で把握できるようになります。

これにより、更新の適用状況を簡単に管理できるだけでなく、「この端末は更新しない」といった特別な条件にも迅速に対応可能となり、管理プロセスが非常にシンプルで効率的になるのです。

IT資産管理ツールならSS1がおすすめ

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IT資産管理ツールSS1リンクアイコンは、IT資産管理とWindows Updateを一元的に管理できる高コストパフォーマンスのツールです。

PCやソフトウェア、ネットワーク機器の情報を効率的に管理しつつ、手動での更新作業の工数を削減します。SS1の特長は、Windows Updateの管理を資産情報と紐づけて一括でおこなえることです。

特定のユーザーやデバイスに対して、適切な更新ポリシーを簡単に設定できます。セキュリティリスクを最小限に抑え、最新の状態を保ちやすいです。

直感的に操作しやすいExcelのような画面で、誰でも簡単に利用でき、ログ管理やセキュリティ対策などのオプション機能も豊富にあります。スムーズに導入が可能であるため、企業のIT運用を効率化し、業務の負担を軽減できるツールです。
また、導入から運用まで一貫したサポートを提供いたします。

WSUSを使わないWindows Update管理でお困りの方は、ぜひ一度導入をご検討ください。

参考

まとめ

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本記事では、WSUSのサポート終了に伴う新たなWindows Update管理の必要性と、企業が検討すべき代替ツールについて解説しました。Microsoft IntuneやWindows Autopatchは、クラウドベースの自動化ツールとして注目されていますが、導入コストや運用の複雑さが課題です。

一方、IT資産管理ツールは、更新管理と資産情報を一元化し、シンプルで効率的な運用を実現します。特に「SS1」リンクアイコンは、コストパフォーマンスが高く、多くの企業で評価されるツールです。

まずは各ツールの機能を比較し、最適なソリューションを導入してはいかがでしょうか。

著者プロフィール
SS1LAB編集部
IT資産管理ツールSS1/SS1クラウドを開発・販売している、株式会社ディー・オー・エスの営業企画部メンバーで構成されています。IT資産管理・ログ管理・情報セキュリティ対策など、情シス業務の効率化に役立つ最新トレンド情報を随時発信中!