BitLockerとは?メリット・設定方法・注意点まで徹底解説

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テレワークの定着で業務用PCを社外へ持ち出す機会が増え、「端末の紛失・盗難対策」を検討する組織が増えています。
なかでも導入しやすい対策として注目されているのが、Windows OSに標準搭載されているドライブ暗号化機能である「BitLocker」です。

本記事では、BitLockerの概要や設定方法、管理の際の注意点などをご紹介します。BitLockerをすでに利用している/これから利用を検討している組織のご担当者様は、運用上のトラブルを回避するためにもぜひご一読ください。

BitLockerとは?

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BitLockerとは、Microsoft社が提供しているWindowsOS標準搭載のドライブ暗号化機能です。
Windows Vista以降のWindowsに搭載されており、内蔵HDD/SSD、外付けストレージ、USBメモリなどを暗号化することで、デバイス紛失・盗難時のデータ流出リスクを低減します。

なお、BitLockerの暗号化対象はローカルに接続されたドライブに限られ、NASやファイルサーバー上の共有フォルダなど ネットワーク経由でアクセスするストレージ(ネットワークドライブ)には適用できません 。

BitLockerを利用できるエディション・ライセンス要件は以下の通りです。

▼サポートしているエディション
・Windows Pro
・Windows Enterprise
・Windows Pro Education/SE
・Windows Education

▼ライセンス要件
・Windows Pro/Pro Education/SE
・Windows Enterprise E3
・Windows Enterprise E5
・Windows Education A3
・Windows Education A5

参考

BitLockerの仕組み・特徴

BitLockerは単純にドライブを暗号化するだけの機能ではなく、暗号化アルゴリズム・TPMによるハードウェアレベルの保護・自動有効化される「デバイスの暗号化」との棲み分けといった複数の技術要素で構成されています。
これらの仕組みを理解しておくことで、組織で導入・運用する際のセキュリティポリシー設計や、トラブル発生時の切り分けもスムーズになります。

ここではBitLockerを支える3つの中核要素について、順にみていきましょう。

暗号化アルゴリズム(AES-XTS)

BitLockerは、ディスク暗号化のデファクトスタンダードである XTSモードのAES暗号を採用しています。Windows 10 バージョン1511以降、既定の暗号化方式が「AES-CBC」から「XTS-AES」に変更され、より強固で改ざんに強い保護がおこなわれるようになりました。

■XTS-AESの鍵長別比較
XTS-AES 128bit(既定)パフォーマンスと安全性のバランスに優れる
XTS-AES 256bit政府機関・金融機関など、より高いセキュリティ要件向け

エディションやポリシーによって既定値は変わるため、組織への導入時は組織のセキュリティポリシーにあわせて暗号化方式を明示的に指定することをおすすめします。

TPM(セキュリティチップ)との連携

BitLockerの大きな特長は、PCのマザーボード上に搭載されているセキュリティチップ TPM(Trusted Platform Module) と連携できる点です。TPMに暗号化キー情報を格納しておくことで、暗号化されたストレージは「BitLockerを実行したPC上」でしかロックを解除できなくなります。

これにより、万が一内蔵ストレージが取り外されて別のPCに接続されたとしても、第三者が内部のデータを読み取ることはできません。
ハードウェアレベルでの保護が加わることで、デバイスの紛失や盗難時にも情報漏洩のリスクを極めて低く抑えられる仕組みになっています。

Windows 11ではTPM 2.0が必須要件となっており、ほぼすべての対応機種でBitLocker+TPM構成を利用できます。

「デバイスの暗号化」とBitLockerの違い

Windows 11 24H2以降の自動有効化で混同されやすいのが、「デバイスの暗号化(Device Encryption)」と「BitLocker」の違い です。両者はバックエンドの暗号化技術こそ共通ですが、UIや管理方法が異なります。

デバイスの暗号化 BitLocker(管理者向け)
対象エディション Home / Pro 以上 Pro / Enterprise / Education など
有効化トリガー 条件を満たすと自動有効化 管理者が明示的に有効化
管理画面 設定アプリ>プライバシーとセキュリティ コントロールパネル/manage-bde/Intune など
暗号化範囲 システムドライブ中心 システム/データ/リムーバブル各ドライブ

BitLockerを使うメリット

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BitLockerを活用する最大のメリットは、情報漏洩対策ができるという点でしょう。

万が一業務用のPCが紛失/盗難被害に遭ってしまった場合でも、BitLockcerによってハードディスクを暗号化できていれば、第三者によって内部のデータが読みとられる心配はありません。また、BitLockerの暗号化はハードディスクがPC本体から取り外されたとしても継続されるため、PCを譲渡・売却したとしてもデータが保護され続けます。

また、OS標準搭載であるため追加の費用もいらずにすぐ導入できるという点も、組織のセキュリティ担当者にとってはうれしい利点です。

参考

BitLockerを使う際の注意点

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BitLockerはWindows標準の強力なセキュリティ機能である一方、実際に運用するうえではいくつか気をつけておきたいポイントがあります。
回復キーの管理体制やスリープ運用、パフォーマンスへの影響、既知の脆弱性など、事前に把握しておくことでトラブルを未然に防げます。

ここでは、BitLockerを組織で導入・運用する際に押さえておきたい注意点を4つに分けて解説します。

回復キーの管理不足による紛失リスク

BitLockerを活用するうえで、気をつけるべきなのが「回復キー」の管理です。

回復キーとは、BitLockerを有効化したときに自動で生成される48桁の数字のことで、暗号化解除のために必要となる情報です。OSの不具合やハードウェア構成の変更などをきっかけに、PC起動時に突然入力を求められるケースもあります。

この回復キーを紛失してしまうと、暗号化が解除できず、データを失うリスクがあります。特に、Microsoftアカウントへの保存だけに頼っている場合は、アカウント障害・本人の退職・パスワード忘れなどで参照できなくなるおそれもあるため注意が必要です。

BitLockerを組織で運用する際は、ファイル保存・印刷・Active Directory/Microsoft Entra ID/IT資産管理ツールへの退避など、複数の手段で回復キーを保管しておくことが何より重要です。

スリープ状態での放置によるセキュリティリスク

PCの起動時に暗号化キーで認証された端末は、スリープ状態から復帰する際に再度の認証が求められません。
そのため、PCをスリープ状態のまま放置することは、第三者にそのままアクセスされる危険性が高く大変危険です。

離席時や外出時には、必ずシステムをシャットダウンするか、スリープ解除時にパスワードの入力を要求するよう設定を変更しておく必要があります。

暗号化によってデータが守られていても、ログインできる状態のまま持ち出されてしまえば意味がないため、日頃からの運用ルールを徹底しましょう。

暗号化によるパフォーマンス低下の可能性

BitLockerはバックグラウンドでシームレスに暗号化および復号化の処理を実行するため、通常の作業を妨げることはありません。
しかし、大容量のデータを継続的に扱うような場面では、PCの動作速度やパフォーマンスに影響がでる可能性があります。

ストレージへの読み書きに負荷がかかるため、業務で頻繁に重いデータを処理する場合は注意が必要です。
快適にBitLockerを運用するためには、なるべく処理能力の高いPCや高速なストレージを導入するなどの対策をおすすめします。

BitLockerに関する既知の脆弱性情報

BitLockerはWindows標準の主要な暗号化機能として現在も広く推奨されていますが、過去にはBitLockerを回避するいくつかの脆弱性が公表されています。

代表的なものに 「Bitpixie(CVE-2023-21563)」「YellowKey(CVE-2026-45585)」などがあり、いずれも攻撃者が端末に物理的に接触できることが前提です。
Bitpixieは、2023年の公表以降Microsoftによる累積的な緩和策が継続中で、YellowKeyは、2026年5月に緩和策、同年6月の月例パッチで修正済みです。

BitLockerを安全に運用するうえでは、Windows Updateを最新に保つこと、および高セキュリティ要件の端末ではTPM+PIN認証を有効化しておくことが、最も実効性のある対策です。
BitLockerを過信せず、端末の物理的な持ち出し・盗難対策とあわせて運用しましょう。

BitLockerを有効化する手順

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BitLockerを有効化する手順は非常にシンプルです。画面の指示に従ってポリシーを設定することで、回復キーの保存場所や暗号化の範囲などを簡単に指定できます。
実際に有効化する方法は以下の通りです。(Windows 11の場合)

①スタートメニュー>コントロールパネルを開く
②システムとセキュリティ>BitLocker ドライブ暗号化 を選択
③「BitLockerを有効にする」をクリック
④回復キーのバックアップ方法を選択し、「次へ」をクリック
BitLocker 回復キーバックアップ設定画面イメージ ⑤ドライブを暗号化する範囲を指定し、「次へ」をクリック
⑥使用する暗号化モードを選択
⑦「BitLockerシステムチェックを実行する」にチェックをいれ、「続行」をクリック
⑧PCを再起動、その後ドライブの暗号化を開始

PINコードを設定する場合

BitLockerの暗号化を有効化したとしても、Windowsにサインインできてしまえば、コントロールパネルから暗号化を解除されてしまう恐れがあります。
そういったケースに備えて、サインイン時に追加でPINコードを要求するように設定することも可能です。

①スタートメニューの検索ボックスに「gpedit.msc」と入力
②グループポリシーエディターを開き、下記の順番に選択
 コンピューターの構成>管理用テンプレート>Windowsコンポーネント>BitLockerドライブ暗号化>オペレーティングシステムのドライブ
③「スタートアップ時に追加の認証を要求する」を開く
④ポリシーを有効化する
グループポリシー設定画面イメージ ⑤設定後、PCを再起動し、前項の①~②を実行して「BitLockerドライブ暗号化」を開く
⑥「スタートアップ時にドライブのロックを解除する方法の変更」をクリック
⑦任意のPINコードを設定する

上記の設定によって、スタートアップ時に毎回PINコードの入力を要求されるようになります。

ちなみにこの設定を解除する場合は、「BitLockerドライブ暗号化」画面の「スタートアップ時にドライブのロックを解除する方法の変更」メニューから、「BitLockerでドライブのロックを自動的に解除する」を選択します。

USBメモリや外付けHDD/SSDの暗号化設定(BitLocker To Go)

基本的に、BitLockerはPCに内蔵されたハードディスクやSSDを暗号化の対象としていますが、USBメモリや外付けHDD/SSDといった外部ストレージを暗号化する「BitLocker To Go」という機能も存在します。

BitLocker To GOを有効化する場合は、暗号化したい外付けデバイスをPCへ接続した状態で、Windowsエクスプローラーから該当デバイスのドライブ名(E:ドライブなど)を右クリックします。

メニュー内に「BitLockerを有効にする」という項目があるため、選択して画面の指示に従うことで、ロック解除のためのパスワードや回復キーのバックアップ方法などを指定可能です。

BitLockerを無効化する手順

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何らかの理由でBitLockerを無効化したい場合は、以下の操作をおこないます。

①スタートメニュー>コントロールパネルを開く
②システムとセキュリティ>BitLocker ドライブ暗号化 を選択
③「BitLockerを無効にする」をクリック
④確認画面が表示されたら、 再度「BitLockerを無効にする」をクリック
⑤完了後、「BitLockerが無効です」の表示に変わる

特に組織でPCを一括管理されているケースでは、BitLockerの設定も管理者によって一元管理されている可能性があります。
「BitLockerを無効にする」ボタンがグレーアウトしている、選択しても反応しないなど無効化できない場合は、ポリシー側で暗号化が強制されているケースがほとんどです。
使用者の立場で無効化をおこなう際は、必ず管理者へ相談したうえで慎重に判断してください。

BitLocker運用時におこりえるトラブル

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BitLockerを運用する際に、よく聞かれるトラブルがいくつか存在します。

トラブル①:管理者権限によるBitLocker無効化

BitLockerの有効化/無効化には管理者権限が必要ですが、使用者に管理者権限を与えている場合は勝手にBitLockerを無効化できてしまいます。
また無効化したあとに再び有効化したとしても、そのときには新たな回復キーが発行されるため、組織として管理している回復キーとは違うものになります。

これでは組織としてBitLockerの設定や回復キーを一元管理している意味がなくなってしまうため、BitLockerの運用をおこなう際は使用者に管理者権限を付与しないようにするといった対策が必要です。

トラブル②:Windows更新プログラム不具合による回復キー要求

Windows Updateのタイミングで、意図せず回復キー入力画面が表示されてPCにログインできない事象は、近年たびたび報告されています。
のちのパッチで修正されたケースが多いものの、「回復キーをすぐに参照できる体制になっているか」 を試される事象でもあります。

組織で利用する端末では、Microsoft Entra ID/Active Directory/IT資産管理ツール側に回復キーを退避し、いつでも参照できる体制を整えておきましょう。

トラブル③:Windows 11 24H2におけるBitLocker自動有効化

Windows 11 24H2以降、「デバイスの暗号化」機能の適用条件が緩和された影響で、下記の条件下ではBitLockerが自動で有効化されるようになりました。

・Windows 11 24H2をクリーンインストールし、Microsoftアカウントで初期セットアップを完了させた場合
・Windows 11 24H2以前の端末を初期化し、Windows 11 24H2をインストールしてMicrosoftアカウントで再セットアップを完了させた場合

この事象は、Windows 11 24H2以前の端末を通常どおりバージョンアップさせた場合や、ローカルアカウント/ADユーザーアカウントを利用して初期セットアップを完了した場合には発生しないとされています。

さらに、2025年秋以降に順次配信が始まった Windows 11 25H2でも、同様の自動有効化挙動が継続しています。
Windows 11 24H2/25H2があらかじめインストールされた端末を新規で調達する際には、BitLockerの有効状況を必ず確認するようにしましょう。

BitLockerが有効になっていることに気づかず運用を続けてしまうと、不意に回復キーを求められた場合に適切な対応をおこなえない可能性があります。

参考

トラブル④:パーツ変更やパスワード入力ミスによる回復キー要求

OSの不具合以外にも、PCのハードウェア構成を変更した際にBitLockerが不正アクセスと判断し、突然回復キーを要求することがあります。
例えば、マザーボードやCPUの交換をおこなった場合や、BIOSやUEFIの更新をおこなった場合、システムの整合性が失われたとみなされて暗号化がロックされます。

また、BitLocker起動時のPIN(暗証番号)を連続して入力ミスした場合や、 強制終了の繰り返しにより自動修復モードへ突入した場合も、セキュリティ保護の観点から回復キーが求められることがあります。さらにBIOSメニューからTPMをクリア( TPMリセット )した際にも、保存されていた鍵情報が初期化されるため、次回起動時に回復キーの入力が必須となります。

ハードウェア/OS構成を変更する前後では、回復キーの参照可否を必ず確認してください。

トラブル⑤:Windows Hello・VBS(仮想化ベースセキュリティ)連動の不具合

近年は、Windows HelloやVBS(Virtualization-Based Security)の構成変更にあわせて、BitLocker回復キーが要求されるケースも報告されています。
Windows Helloの再構成・PIN変更時に複数のPCRが変化することでTPMの整合性チェックに失敗するケースがあるため、Microsoft Entra IDなどクラウド側に回復キーを退避させておくことが重要です。

PCが正常に起動している間に回復キーを確認する方法

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トラブルが発生してPCがロックされる前に、PCが正常に起動している状態で48桁の回復キーの確認方法を確認し、バックアップを取っておくことが重要です。
いざという時に慌てないためにも、以下の方法で回復キーの保管場所を確保しておきましょう。

コントロールパネルから確認する

コントロールパネルからBitLockerの管理画面を開けば、現在有効になっている暗号化の回復キーを再度バックアップ可能です。
「システムとセキュリティ」の項目から「BitLockerの管理」を選択し、「回復キーのバックアップ」をクリックしてください。

ここでは、Microsoftアカウントへの保存や、ファイルとしての保存、または紙への印刷など、複数のバックアップ方法を指定できます。
一つの方法に頼らず複数の手段で回復キーを保管しておけば、万が一の紛失リスクも大幅に減らせます。

Microsoftアカウントの回復キーポータルから確認する

Microsoftアカウントのデバイス管理ページにアクセスすると、そのアカウントに紐づくBitLocker回復キーを一覧で確認できます。組織のEntra IDアカウントを利用している場合は、Entra ID管理センターから同様に参照可能です。

BEKファイルから検索する

過去に回復キーをファイルとして保存する設定にしていた場合、PC内のどこかに「.bek」という拡張子で保存されている可能性があります。
エクスプローラーを開き、検索ボックスに「*.bek」と入力してPC全体を検索してみてください。

もし該当するファイルが見つかった場合、ファイル名の一部に記載されている英数字が回復キーとして利用できることがあります。
見つけたファイルは、PCが起動しなくなった時に備えて、外付けHDDやUSBメモリなどの外部ストレージにコピーして安全に保管しておきましょう。

manage-bde コマンドから確認する

管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行すると、現在のBitLocker状態と回復キーIDを確認できます。

manage-bde -protectors -get C:

出力に含まれる 数値パスワード(Numerical Password)が回復キーです。組織内で台帳化する場合は、回復キーIDと端末名の組み合わせで管理すると検索性が向上します

回復キーを紛失した場合の対処法

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「回復キーがわからない」「どこに保管したか思い出せない」---- 万が一そのような状況に陥ってしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

まずは、どこかに回復キーのバックアップが保管されていないか、徹底的に探すことからはじめましょう。上述の通り、BitLockerを有効化する際には必ず回復キーのバックアップ方法を指定することになっています。当該端末を利用しているMicrosoftアカウントや、回復キーを印刷した用紙などをもう一度よく確認してみてください。

それでも見つからなかったときには、BitLockerで暗号化したドライブを初期化する方法もあります。しかし当然、一度初期化したら中身のデータを完全に復旧することは不可能なため、この対応は最終手段です。なるべくこのような事態に陥らないよう、普段から回復キーの管理を徹底しておきましょう。

manage-bdeコマンドによる確認・解除

回復キーが手元にある場合は、回復オプション画面のコマンドプロンプトから以下のように入力することで、暗号化されたドライブのロックを解除できます。

注意

注意

manage-bdeコマンドは「回復キー(数値パスワード)を持っている前提」で動作する解除コマンドであり、 回復キーが完全に紛失した状態では暗号化を解除できません。 回復キーが手元にある場合のみ、以下のコマンドでドライブのロックを解除できます。

manage-bde -unlock C: -RecoveryPassword <48桁の回復キー>
manage-bde -off C:

ただし、この操作は誤るとシステムに悪影響を及ぼすおそれがあるため、操作に不慣れな場合は自己判断でおこなわず、IT管理者に相談したうえで慎重に実行してください。

データ復旧業者への相談

回復キーがどうしても見つからず、コマンドによる解除も不可能な状態で、なおかつ初期化を避けたい場合の最終手段として、専門のデータ復旧業者に依頼する方法があります。

自力でのデータ復旧は極めて困難ですが、高度な技術や専門の解析ツールを持つ業者であれば、暗号化されたドライブからデータを救出できる可能性が残されています。

初期化を実行してしまうとデータの復旧が完全に不可能になるため、どうしても取り出したい重要な情報が含まれている場合は、操作を止めて早急に専門業者へ相談してみましょう。

BitLockerをより効率的に運用する方法

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組織としてより効率的なBitLockerの一元管理を目指すのであれば、専用ツールの導入が有効です。

Active Directory

Active Directoryは、Windows Serverに標準搭載されているディレクトリサービスです。これを利用して、組織内のユーザーやデバイスの設定を一元的に管理する運用パターンは、古くから広く普及しています。
グループポリシー(GPO)を活用すれば、BitLockerの有効化を強制するだけでなく、回復キーをActive Directoryへ自動的に保存する設定が可能です。これにより、ドメイン管理者は回復キーを集中管理し、必要に応じて迅速に参照できるようになります。

特に端末台数が多い環境では、設定漏れを防ぎつつ効率的な管理体制を構築できるため、オンプレミス環境を中心とした組織や、端末の社外持ち出しが少ない環境に適しています。

Microsoft Intune

Microsoft Intuneを利用すれば、テレワーク中心の組織でも端末を自動的に管理対象に組み入れ、エンドポイントセキュリティポリシーとしてBitLocker設定を配布できます。回復キーはMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)に自動的に保存され、管理者がポータルから検索・参照可能です。

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Microsoft Entra ID(旧Azure AD)

WindowsをEntra ID参加(Azure AD Join)させ、IntuneやDevice Encryptionによる暗号化を適切に構成すると、BitLocker回復キーがEntra IDへ自動的に退避されます。
これによりMicrosoftアカウントへの依存を減らせるほか、退職者対応や端末入れ替え時にも、組織側で回復キーを一元管理できる点が大きなメリットです。

関連記事

IT資産管理ツール

IT資産管理ツールを導入することで、組織内のデバイスにおけるBitLockerの有効化状況や回復キーを一元管理できるようになります。各端末の暗号化状態をリアルタイムでモニタリングできるため、管理者は設定漏れがないかを常に把握可能です。
ツールの活用により、回復キーの自動収集や遠隔での暗号化設定、解除といった高度な運用を簡素化できます。専門知識がなくても、直感的な操作で一括管理がおこなえる点は大きなメリットです。

デバイスの紛失や盗難といったセキュリティインシデントが発生した際も、ツール上で回復キーを即座に参照できるため、迅速かつ的確な対応が可能です。万が一のトラブルに備え、強固な管理体制を構築する手段として非常に有効といえます。

関連記事

SS1でBitLockerの一括管理と遠隔制御を実現!

BitLockerの一元管理をIT資産管理ツールでおこなう場合は、SS1リンクアイコン/SS1クラウドリンクアイコンの活用をご検討ください。

SS1/SS1クラウドでは、機器情報の一環として、BitLocker設定情報(暗号化の方法/保護の状態/回復キー)を自動で取得します。
また、管理対象機器に対して強制的に暗号化適用/解除も可能です。使用者が無断で暗号化を解除したとしても、すぐに暗号化を再適用できます。

BitLocker設定画面イメージ

SS1/SS1クラウドでBitLockerの管理をおこなうことで、使用者による暗号化解除/不意の回復キー要求といったトラブルにも問題なく対応できるようになります。

参考

BitLockerに関するよくある質問(FAQ)

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BitLockerの運用を進めるなかで、多くの担当者が直面する疑問点や不明点をQ&A形式でまとめました。
自社の環境でBitLockerを安全に活用し、トラブルを未然に防ぐための補足情報としてお役立てください。

Q1. Windows 11 HomeでもBitLockerは使えますか?

Windows 11 Homeには、Pro以上のエディションに搭載されている「BitLocker管理機能」自体は提供されていません。
しかし、TPM 2.0やセキュアブートなどの要件を満たす端末でMicrosoftアカウントにサインインした場合は、より軽量な「デバイスの暗号化(Device Encryption)」が自動で有効化され、システムドライブは暗号化されます。

ただし、Homeエディションでは暗号化方式の選択やBitLocker To Go(リムーバブルメディアの暗号化)、グループポリシーやMicrosoft Intuneによる一元管理などには対応していないため、組織で利用するデバイスでは、Windows 11 Pro/Enterprise/Education以上のエディションでBitLockerを管理することを推奨します。

Q2. BitLockerを有効化するとPCの動作は重くなりますか?

通常のオフィスワーク用途であれば、体感できるほどのパフォーマンス低下はほとんどありません。BitLockerはバックグラウンドで暗号化/復号化の処理をシームレスにおこなうため、ブラウジングや文書作成といった日常業務に大きな影響を与えることは少ないでしょう。

ただし、動画編集や大容量のデータを扱うCAD・解析業務など、ストレージへの読み書きが集中する作業では、わずかな速度低下を感じる場合があります。気になる場合は、NVMe SSDなど高速なストレージを搭載したPCを採用することで、体感性能を確保しやすくなります。

Q3. Microsoftアカウントに保存された回復キーはどこで確認できますか?

ブラウザから Microsoftアカウントのデバイス管理ページ にサインインすると、そのアカウントに紐づくBitLocker回復キーを端末ごとに一覧で確認できます。表示される「キーID(最初の8桁)」と、PCがロックされた際に画面に表示される8桁のキーIDを照合することで、対象端末の48桁の回復キーを特定できます。

組織のMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)アカウントを利用している場合は、Microsoft Entra ID管理センターまたはMicrosoft Intune管理センターから、管理者が一元的に回復キーを参照できます。個人のMicrosoftアカウントと組織アカウントでは保存先が異なるため、見つからない場合は両方のポータルを確認してみてください。

まとめ|BitLockerで情報漏洩を防ぎつつ、賢く運用しよう

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BitLockerは、情報漏洩対策をおこなえる非常に優秀なセキュリティ機能です。ただし、回復キーの管理を厳密におこなわなければならないといった運用上の注意点もいくつか存在します。

BitLockerを安全かつ効率的に運用する場合は、専用ツールによる一元管理がおすすめです。そのようなツールをお探しの場合は、ぜひIT資産管理ツールSS1/SS1クラウドの導入も検討してみてください。

BitLockerの管理にも適したIT資産管理ツールSS1/SS1クラウド

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SS1/SS1クラウドは、IT資産管理をベースとして、セキュリティ対策・ログ管理・運用支援機能などが搭載されたシステムおよびサービスです。デバイスの使用制限・セキュリティパッチの適用管理といったセキュリティ対策や、PCの稼働データを活用した従業員の労務管理も可能になっています。

そのほか、BitLocker管理機能Windows Defender集中管理機能など、Microsoft社製品の効率的な管理を支援するさまざまな機能を有しています。
各製品に関する詳しい情報は、下記のサイトよりご参照ください。

参考

【SS1導入事例】J-netレンタリース株式会社 様

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J-netレンタリース様では、SS1で自動収集していたBitLocker「回復キー」情報の活用により、大規模インシデント発生時にも迅速な復旧を実現されました。
ウイルス対策ソフトの不具合を起因として200台以上のPCでBitLockerの暗号化が適用され、端末の復旧に「回復キー」の入力を求められる事態に直面された際も、SS1の管理画面から対象端末の回復キーを即座に参照できたため、復旧作業をスムーズに進められたとのことです。

また、通常であれば端末一台ずつ回復キーを確認する必要があり、対応の遅れが業務への深刻な影響につながる懸念もありましたが、「SS1による情報の一元管理体制を平時から整えていたことで、大きなトラブルへの発展を未然に防げた」とお喜びいただいています。

BitLocker運用における「回復キー」情報の一元管理が、有事の際に大きな支えとなった事例となっています。詳細については、下記の導入事例をご参照ください。

参考
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著者プロフィール
SS1LAB編集部
IT資産管理ツールSS1/SS1クラウドを開発・販売している、株式会社ディー・オー・エスの営業企画部メンバーで構成されています。IT資産管理・ログ管理・情報セキュリティ対策など、情シス業務の効率化に役立つ最新トレンド情報を随時発信中!