Windows Defenderとは?Microsoft Defenderとの違いを徹底解説!

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ランサムウェアなどのウイルス感染被害が相次ぎ、端末に対するセキュリティ対策が重視される昨今、Microsoft社製のウイルス対策ソフトである「Microsoft Defender」が注目を集めています。

しかし、Microsoft社が提供しているセキュリティ関連サービスには「Windows セキュリティ」や「Microsoft Defender for Endpoint」など、似たような名称のものが複数存在しています。
加えて、「Windows Defender」の呼称を使うベンダーも多いため、「どのサービスがどういった製品なのかわかりづらい...」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、「Microsoft Defender」と「Windows Defender」の違いや、そのほか製品との関係性などについて詳しく解説していきます。

Windows Defenderとは

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Windows Defenderとは、Microsoft社によって開発されたウイルス対策ソフトウェアです。
当初はWindows XP用のスパイウェア対策プログラムとしてリリースされたものでしたが、現在ではWindows OSに標準搭載のウイルス対策プログラムへ拡張されています。

Windows Defenderは誰でも無料で利用できるため、セキュリティにあまり明るくないユーザーや、対策自体を負担に感じるユーザーに大変重宝されてきました。
また、年々ウイルス検知機能の精度も向上しているため、企業PCの標準ウイルス対策ソフトとして採用されることも増えているようです。

参考

Windows Defender→Microsoft Defenderへ名称変更

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無料で使えるウイルス対策ソフトとして利用されてきたWindows Defenderですが、その製品名はたびたび変更されています。

はじめにおこなわれたのが、「Windows Defender」のブランド名化です。2017年、これまでの「Windows Defender」を「Windows Defender ウイルス対策」へと改め、「Windows Defender」という名前はセキュリティ製品のブランド名として使用していく旨がMicrosoft社から発表されました。

そして現在では、MacやiOSなどWindows以外のプラットフォームでも利用できるようになったことを受け、Windows Defenderは「Microsoft Defender」へと名称が変更されています。
これに伴い、「Windows Defender ウイルス対策」も「Microsoft Defender ウイルス対策」と名前を改めたほか、既存のWindows Defenderシリーズ製品の名称も同様に変更されました。

しかし、「Windows Defender」という名前はいまでも愛称として広く使われています。そしてそう呼称される際、多くのケースでは「Microsoft Defender ウイルス対策」を指していることが多いようです。

Windows Defenderから名称が変更された後の変化

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Windows DefenderからMicrosoft Defenderへと生まれ変わった今、Defenderシリーズを取り巻く環境にも同じく変化が起きています。

Windows セキュリティとの機能統合

現在、Microsoft Defender ウイルス対策は「Windows セキュリティ」というWindows 10/11標準搭載のセキュリティ機能群の一つに名を連ねています。

ちなみにこの「Windows セキュリティ」は、Windows Defender ウイルス対策へと製品名が変わったのと同時期(Windows 10 ver.1703)に機能追加された、「Windows Defenderセキュリティセンター」というアプリケーションが元となっています。
Windows Defender ウイルス対策がWindows Defenderセキュリティセンターの一部として統合されたのもこのタイミングです。

そしてその後、バージョン1809でWindows DefenderセキュリティセンターはWindows セキュリティと改名されることとなり、Windows セキュリティとMicrosoft Defender ウイルス対策の関係も引き継がれています。

Microsoft Defender for Endpointとの連携

企業におけるMicrosoft Defender ウイルス対策の利用実態としては、「Microsoft Defender for Endpoint」との連携が一般的になりつつあります。

Microsoft Defender for Endpointは、かつて「Windows Defender ATP」という名前でリリースされていたクラウドベースのEDRソリューションです。名称変更前はWindowsにしか対応していませんでしたが、現在ではLinuxMacなどの環境でも利用できます。

この2製品の違いとしては、Microsoft Defender ウイルス対策が侵入前のウイルスに対する防御策であるのに対し、Microsoft Defender for Endpointはウイルスが侵入した後の被害を最小限に抑えることを目的としている点が挙げられます。

ただ、このように目的の違いはあるものの、Microsoft Defender for Endpointの機能である「次世代の保護」は一部Microsoft Defender ウイルス対策のスキャン機能に依存しているため、連携しあうことでより大きなシナジーを生む関係であるといえるでしょう。

Microsoft Defender for Endpointは、法人向けのプランであるMicrosoft 365 E3やE5などに含まれており、クラウドベースの製品であるため事前のツールインストールなどが必要ありません。
気軽に使えるうえに確かなセキュリティ強化をおこなえることから、いま組織のIT担当者たちの間で導入を検討されるケースが増えているようです。

連携ソリューションの台頭

Microsoft Defender for Endpointとの連携には、Microsoft Defender ウイルス対策の「未知のウイルスに対応できない」という弱点を補えるというメリットがあります。
実は今、こういった形でMicrosoft Defender ウイルス対策単体でのデメリットを打ち消すためのさまざまな連携ソリューションも生まれ始めているのです。

例えば、IT資産管理ツールSS1リンクアイコンに搭載されている「Windows Defender管理」機能は、Microsoft Defender ウイルス対策の「管理画面のわかりにくさ」「全体を俯瞰できるダッシュボード機能の不足」を補えるようになっています。

windf_msdf_ss1.png(スキャン実行スケジュール設定のようす)

組織内の端末におけるウイルススキャンの実行日時を一括で設定したり、その結果を一覧で表示したりできるだけでなく、万一ウイルスが検知された場合は社内ネットワークから自動的に遮断することも可能です。

組織の端末のセキュリティ状態を一元管理するには、現状のMicrosoft Defender ウイルス対策のみではなかなか難しくなっています。
組織利用を検討している担当者は、こういったサードパーティ製のツールの利用も視野にいれるとよいでしょう。

参考

Windows Defenderを有効/無効にする方法

Windows Defender(現:Microsoft Defender ウイルス対策)の有効化/無効化は、「Windows セキュリティ」の設定画面からおこなえます。

1.[スタート]メニューの検索バーより、「Windows セキュリティ」と検索

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2.[ウイルスと脅威の防止]>[ウイルスの脅威の防止の設定]>設定の管理の順に選択

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3.「リアルタイム保護」のオン/オフを確認

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オンの場合、Microsoft Defender ウイルス対策は有効になっています。オフの場合は無効になっており、「リアルタイム保護がオフになっており、お使いのデバイスは脆弱な状態です。」という警告テキストが表示されます。

何らかの理由でMicrosoft Defender ウイルス対策を一時的にオフにしたいときは、この設定を確認してみましょう。
ただし、リアルタイム保護の無効化は一定時間経てば自動的に解消される仕様になっているようですので、その点はご注意ください。

まとめ

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Window DefenderとMicrosoft Defenderの歴史や、他ソリューションとの関係性について解説しました。

Microsoft製品は幾度も名称変更・ブランド変更を繰り返しているため、たびたびIT担当者の間で混乱を招いています。特にこのDefenderシリーズにおいては、単に「Microsoft Defender」と呼ぶだけではどの製品のことかわからなくなってしまいがちです。
本記事によって、少しでも情報整理に役立てていただけることを期待します。

ちなみに、別の記事ではMicrosoft Defender ウイルス対策の機能について詳しく解説しているものもあります。よければそちらもあわせてご覧ください。

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著者プロフィール
SS1LAB編集部
IT資産管理ツールSS1/SS1クラウドを開発・販売している、株式会社ディー・オー・エスの営業企画部メンバーで構成されています。IT資産管理・ログ管理・情報セキュリティ対策など、情シス業務の効率化に役立つ最新トレンド情報を随時発信中!

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