PC操作ログでどこまでわかる?ログで社員の勤務状況を知ろう

・ログとは、「日々の出来事の公式な記録」を指す。これを管理することは、セキュリティ対策や業務効率化、コンプライアンス遵守のために不可欠である。
・ログ収集・分析により、不正アクセスや情報漏洩の早期発見、業務の可視化が可能となる。
・ログ管理ツールの導入により、手作業による管理からの脱却、監視体制の強化が期待できる。
・ログ取得時の注意点として、従業員のプライバシー尊重や、過度な管理による心理的負担の抑制などが挙げられる。
・SS1/SS1クラウドなどのIT資産管理ツールは、ログ管理機能を備え、ユーザーの操作履歴やPCの稼働状況などを可視化・分析することができる。
皆様は「NIST SP800-171」をご存知でしょうか?
NIST(National Institute of Standards and Technology)とは「ニスト」と呼ばれる米国国立標準技術研究所のことです。「NIST SP800-171」は、NISTの発行した米国政府機関が調達する製品や技術などを開発・製造する組織に対して、一定のセキュリティ基準に準拠するように求めるガイドラインを指します。
2019年度から、防衛省と取引のある組織に対してNIST SP 800-171相当の管理策が求められるようになり、さらに2022年3月に策定された「防衛産業サイバーセキュリティ基準」(2023年度以降の契約に順次適用)では、NIST SP 800-171と同水準の管理策が正式に採用されました。
こうしたセキュリティ基準への対応が求められるなか、ログデータは改めて注目を集めています。基準が求める不正アクセスの検知・追跡やインシデント対応といったセキュリティ対策の中核を担うだけでなく、定着したテレワーク環境における勤務状況の可視化など、労務管理の面でも活用が広がっているためです。
とはいえ「ログ」と一口にいっても、その種類や取得方法はさまざまで、どこから手をつければよいか迷われる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ログの基本から組織でとくに活用機会の多い【PC操作ログ】にフォーカスし、取得できる情報の種類・取得方法・活用メリット・導入時の注意点まで、実務目線で分かりやすく解説します。
・PC操作ログでどこまで分かるのか?
・PC操作ログを取得するメリット、目的
・PC操作ログの取得方法
・組織全体のPC操作ログを専用ツールで取得し運用する例
・ログ活用実施事例:「SS1/SS1クラウド」導入事例インタビュー
・PCログ取得の専用ツール導入時の注意
・まとめ
ログとは
ログとは、「日々の出来事の公式な記録」のことです。ビジネスシーンでは、主にPCやサーバーの利用履歴やデータ通信の記録のことを指し、いつどのような事象がおこったのかを知るために欠かせないものです。
組織の管理対象となるログの種類は、下記のように分類されます。
■操作ログ
ファイルの編集・保存・コピー、ログイン・ログアウト、フォルダアクセス、デバイス着脱などの各種操作の履歴。PCがどのように使われているか全般的に把握できる。
■デバイス使用ログ
USBメモリ、CD-ROMなどの記録デバイスや、スマートフォン、デジタルカメラなどの使用履歴。Wi-FiやBluetoothなどのワイヤレスネットワークの接続状況の履歴を含める場合もある。
■ソフトウェア使用ログ
インストールソフトウェアの使用履歴、exeファイルの起動履歴。どのようなソフトウェアを使用したか、どれだけ使用していたかが把握できる。
■インターネットの閲覧ログ
インターネット(Webサイト)の閲覧履歴。チャットやオンラインストレージなどのWebサービスやSNSの利用も含まれる。
■電子メールの送受信ログ
各種メーラーを利用してメールを送受信した際の履歴。利用が増えているGmail、Office 365などのWebメールも対象になってきている。
■印刷ログ
各種プリンタを利用した印刷、スキャンデータ転送の履歴。不用意な印刷を抑止する目的で使われることもある。
■サーバーログ
サーバーのファイル操作のほか、ドメイン操作、アクセス・プロセスなどの履歴。
PC操作ログでどこまで分かるのか?
PCの操作ログには以下の種類があります。
| ログオン・ログオフログ | PCのログオン/ログオフ/スリープ時間 |
|---|---|
| ファイル操作ログ | ファイルやフォルダに対する操作 |
| アプリケーション使用ログ | アプリケーションの起動状況、使用時間 |
| デバイスログ | USBメモリをはじめとした外部デバイスの接続/ファイル操作 |
| Webアクセスログ | Webサイトの閲覧履歴 サイトへの書き込みやファイルのアップロード/ダウンロード |
| メールログ | メールの送受信先、本文や添付ファイルなどの送付内容 |
| 印刷ログ | 印刷したファイル名、日時、枚数 |
このようにPCの操作ログを取得すると、PCを使って作業するほぼすべての履歴を記録できます。
PC操作ログを取得するメリット、目的
ログは、コンプライアンスやガバナンスへ対応するためだけでなく、業務を効率化する手段・指標としても役立ちます。把握が必要なログを見極めたうえで、組織全体で取得・管理することが望ましいでしょう。
ログを取得することで、主に下記のようなメリットがあります。
働き方改革/テレワーク中の業務確認
社内・社外問わずPCを使用して業務をおこなう社員の勤務状況を把握できます。働き方改革の手始めとしては状況把握が重要です。特にテレワークでは、自宅やサテライトオフィスなどでの作業になるため状況がみえにくく、可視化が課題になっています。その際にログは確かなデータとして重宝します。ログを確認することで、作業状況の把握や長時間労働の洗い出しが可能になります。(社員側にとっても、PCの操作ログは業務や残業の証拠として利用できます)
また、掘り下げてログをみていくと、明らかに業務に関係のない行為をしている社員を発見する場合があります。これを是正していくことで、業務効率の低下も防げます。
・残業の多い部署、社員を把握したい
・無断残業がないか調べたい
・効率よく業務がおこなえているか知りたい
・テレワーク時など作業状況を把握したい
セキュリティ対策
情報漏洩やウイルス感染など、セキュリティインシデントが発生した際、ログをもとに原因を明らかにできます。不正行為などを把握できることはもちろんですが、反対に、不正行為がおこなわれていないという証明にもなります。
また、予め社員へログの取得を周知することで、抑止力としての効果も期待できます。最近では、取得したログを活用することで傾向をみえる化し、情報の持ち出しなどのリスクに対して事前に対処する試みも増えてきています。
・マルウェア感染の原因が知りたい
・機密情報の持ち出しがないか確認したい
・社員のセキュリティ意識を上げたい
・不正行為を事前に防ぎたい
管理者の業務効率化
ログは、情報システム部門に社員から寄せられる「ファイルが無くなった」「突然PCの調子がおかしくなった」といった問い合わせの原因特定にも役立ちます。これによって、管理者の業務を効率化しつつ迅速にトラブルを解決できます。
また、新しく導入・開発した社内システムの利用状況を確認したり、どのようなソフトウェアを使っているかなどを知ることも可能です。システムの利用状況や社内のニーズを知ることで、情報システム部門における業務の改善につなげられます。
・トラブルの発生原因を知りたい
・システムの利用状況を把握したい
・業務改善をおこないたい
PC操作ログの取得方法
PCの操作ログを日常的に取得する方法は、主に「OS標準機能を使う方法」と「専用ツールを使う方法」の2つが挙げられます。それぞれの特徴を理解したうえで、自社にあった運用方法を選びましょう。
OS標準機能の活用
WindowsとMacには、それぞれ標準でログを確認するための機能が搭載されています。新たにツールをインストールしなくてもログを確認できるため、まずは手元で状況を把握したいときに便利です。
Windows(イベントビューアー)
Windows OSの操作ログは「イベントビューアー」で確認できます。PC内で発生した下記のようなイベントログを確認することが可能です。
| Application | インストール、強制終了などのアプリケーションに関するログ |
|---|---|
| セキュリティ | ログインの成功・失敗などのセキュリティに関するログ |
| Setup | Windows Update によるシステムの更新に関するログ |
| システム | Windows サービスの起動・停止や、ハードウェア障害などのシステム全体のログ |
| Forwarded Events | 転送されたイベント(リモート接続時)のログ |
Mac(コンソール)
Macの操作ログは「コンソール」アプリを使用して確認できます。
「アプリケーション」から「ユーティリティ」に進み「コンソール」を起動することで、システム全体やアプリケーションのログを閲覧可能です。
これにより、障害の確認や起動・終了の履歴を把握できます。
OS標準機能を利用するときの注意点
WindowsのイベントビューアーもMacのコンソールも、OSに標準搭載されているため追加コストなしで利用できることが利点です。
一方で、標準機能だけでは以下のような課題があります。
・各PCそれぞれから操作する必要があり、組織全体のログを一元的にみることが難しい
・PCの利用者が故意にログを削除することも可能なため、確かなデータとして活用するには不十分
・情報量が多く、確認には専門的な知識が必要になることも少なくない
そのため、組織全体で確実にログを管理する場合は、手動での確認だけでなく専用の管理ツールの併用が推奨されます。
ログ管理機能を搭載したツールの活用
組織全体のPCのログを一元管理したい場合は、ログ管理機能を搭載したツールの導入がおすすめです。
ログを自動で収集するだけでなく、収集したログから不正な操作を検知してアラートを出したり、条件を指定してログを抽出したりと、さまざまな機能が搭載されています。
ログを手動で収集する必要がなく、常に最新のログが管理できるため、インシデント発生時なども迅速な対応が可能です。
組織全体のPC操作ログを専用ツールで取得し運用する例
組織全体のPCのログを取得し「ログ取得のメリット、目的」でご紹介したように活用していくには、専用ツールが必要です。専用ツールでは、管理対象のPCにアプリケーションをインストールしログを取得します。いつ・誰が・何をしているのかをみやすく、まとめて確認できることが特徴です。
ここからは、IT資産管理ツールを用いた【PC操作ログ】の取得イメージをご紹介していきます。
※画像はIT資産管理ツール「SS1」のサンプルイメージです
PCごとの操作ログを取得し、xlsx形式で一元管理
各PCのファイルのコピー、上書きなどの履歴を一覧で確認できます。Excelのxlsx形式などで出力し、データとして保存することも可能です。

確認したいログを絞り込む
取得したログを操作種別ごとに閲覧するなど、さまざまな条件で検索してログを絞り込めます。また、特定のユーザー名やファイル名に対してキーワード検索をおこなうことも可能です。確認したいログをスピーディーに抽出し、状況を把握できます。


PC操作ログから稼働状況(不正残業など)を確認
ログを取得することで、全社的にどれだけPCが稼働しているか状況確認ができます。各PCごとの稼働状況もデータとして確認でき、SS1で取得しているタイムカード情報(業務開始/終了など)と見比べられます。組織として把握しきれていないPCの使用(不正残業)やサボりなどがないかチェックし、働き方の改善につなげられます。勤怠管理システムなどで記録しているデータと比較することも可能です。

ソフトウェアの使用時間や使用率を日別、月別でグラフ化し作業傾向の把握に役立てられます。また、キーボードの打鍵回数やマウスクリック回数を取得することで、実際にソフトウェアを操作しているか(業務をおこなっているか)も確認でき、より詳細な業務状況を把握できます。

テレワーク端末の管理・保守、セキュリティに役立てる
気になるログがあった場合、その操作時に該当PCがどのネットワークに接続されていたのか確認できます。社内なのか自宅なのかなどを確認したうえで、トラブル対応をおこなったり、情報漏洩対策などのセキュリティリスク低減に活用することが可能です。

PCのログ情報から情報漏洩経路を調査する
特定のファイルの流出が認められたときには、ファイルの操作履歴をさかのぼり証跡を辿ることも可能です。また、SS1であればPC操作ログ以外のログ(Web閲覧ログやメール送受信ログなど)と掛け合わせた横断的な検索をおこなえるため、管理画面上で異なるログ情報を時系列順に確認できます。

上記は特定ファイルを起点とした証跡調査の例ですが、SS1ではこのほかにも「ユーザー起点」「部署起点」といったさまざまな切り口でのログ追跡に対応しています。
よって「退職間際の社員による不正な情報持ち出しが発生していないかを調査する」「機密情報を取り扱う機会の多い部署の監査をおこなう」など、あらゆる場面でご活用いただくことが可能です。
ログ活用実施事例:「SS1/SS1クラウド」導入事例インタビュー
実際にSS1/SS1クラウドで【PC操作ログ】を取得し、データ活用をいただいているユーザー様の事例をご紹介します。
【江南病院様】IT資産管理ツール「SS1」導入事例インタビュー

一般財団法人杏仁会 江南病院様では、SS1で取得したログ情報を院内端末の稼働率確認に活用されています。
深夜帯に働いている職員よりもはるかに多いPCの電源がつけっぱなしになっていたなど、これまでみえていなかった稼働状況が把握できるようになったということで、大変お喜びいただいている事例です。
【日本エコシステム株式会社様】IT資産管理ツール「SS1」導入事例インタビュー

日本エコシステム株式会社様では、ISMS監査対応の一環としてSS1のPC操作ログ機能をお役立ていただいています。深夜時間・祝祭日といった本来休日にあたる日の稼働状況を把握することで、不正アクセスの確認や適切な指導をおこなっているとのことです。
【株式会社ブロンコビリー様】IT資産管理ツール「SS1クラウド」導入事例インタビュー

株式会社ブロンコビリー様では、上場企業として不可欠な会計監査への対応を主目的として、SS1クラウドを活用されています。そのほかにもシステムトラブル発生時の原因究明にも役立てるなど、監査対策と運用の効率化を両立されています。
詳細は下記のインタビュー記事をご参照ください。
PCログ取得の専用ツール導入時の注意
ログ取得ツールは、セキュリティ対策と労務管理の両面で有用です。しかし、導入にあたってはいくつかの注意点があります。
従業員のプライバシー権を尊重する
業務時間外のログ取得は、従業員のプライバシー侵害につながるリスクがあります。従業員のプライバシーを尊重する場合、ログの取得は業務時間内にとどめましょう。
一方で、深夜や休日に無断残業がおこなわれたり、情報が持ち出されたりする可能性もあります。セキュリティの観点では、業務時間外のログ取得も重要です。
もしこうした監視をおこないたい場合は、業務時間外のログを取得することを社内規定に明記し、事前に説明するなどして従業員の理解を得ておくとよいでしょう。
過度の監視は生産性低下につながる逆効果の可能性
従業員の心理的負担にも、考慮が必要です。
過度の監視は従業員にストレスを与え、職場の信頼関係にも不和が生じます。
ログの取得目的をきちんと説明し、必要以上の監視はおこなわないなど、従業員の理解を得られるようにしましょう。
また、監視によって従業員が感じるストレスは、生産性の低下を招く恐れもあります。
過度な監視下では、従業員が不必要なプレッシャーを感じ、職場のチームワークや意見交換に悪影響を及ぼすでしょう。
ログの取得は、管理者側の必要性と従業員側の負担とのバランスをとったうえでおこなう必要があります。
法律上でログ監視が認められる条件
日本の法律において、組織が従業員のpcログを監視することは、社会通念上の範囲内であれば合法とされています。
ただし、監視が適法と認められるためには、業務上の必要性が明確でなければなりません。
さらに、監視の目的や取得する範囲、方法について従業員へ事前に説明し、就業規則などに明記しておく必要があります。
取得した情報の目的外使用を禁止するなど、社内ルールを明確に定めておくことが求められます。
従業員の十分な理解と同意を得たうえで、適正な運用体制を構築することがトラブルを防ぐための第一歩となります。
個人情報保護の観点で制限される監視項目
個人情報保護法の観点からも、従業員の情報を扱う際には特別な注意が必要です。
思想信条や病歴といった要配慮個人情報は、業務上の必要性がない限り収集してはいけません。
また、私的なSNSアカウントへのアクセス履歴や健康状態に関する検索記録など、業務と直接関係のない項目は原則として監視対象から除外すべきです。
取得したデータへのアクセス権限を必要最小限に制限し、情報漏洩を防ぐための強固なセキュリティ体制を整えることが求められます。
従業員のプライバシーを適切に守る運用が、組織の信頼性向上にもつながります。
社内不正や情報漏洩が疑われる場合の対処法
万が一、操作ログから社内不正や情報漏洩の痕跡が発見された場合は、迅速かつ適切な初動対応が求められます。
自社だけの調査では証拠保全などに限界があるため、被害を最小限におさえるための専門的な対処法を事前に知っておくことが重要です。
専門機関によるフォレンジック調査の活用
ログから機密情報の持ち出しやウイルス感染などの疑いがみつかった場合、自社のみで調査を進めるのは大きなリスクが伴います。
悪意のある操作によってログが改ざんされたり削除されたりしている可能性があり、不十分な証拠しか集まらない場合があるからです。
このようなときは、デジタル端末からデータを調査・解析するフォレンジック調査の専門機関に依頼することを検討しましょう。
専門機関を活用することで、感染経路や被害状況を正確に把握し、裁判所でも使用可能な客観的証拠を確保できるようになります。問題が発覚した時点で、証拠が消える前に早期相談することが大切です。
まとめ
今回は【PC操作ログ】についてご紹介しました。社内データの活用として、今後ますますログの取得は重要となってきます。
また、テレワーク用に持ち出されたPCと社内PCの一元管理も新たな課題となっています。この機会に、作業状況の把握・セキュリティ対策としてログの管理をはじめてみてはいかがでしょうか。
【PC操作ログ】は、ログのなかでもPCが利用されているか(=社員が何時から何時まで作業しているのか)といったことを知る状況把握の基礎となるものです。
ログ取得をこれからはじめる場合は、まずはじめに【PC操作ログ】の取得・管理から実施されることをおすすめします。
IT資産管理ツール「SS1」や「SS1クラウド」では各種ログの取得・レポート化に加えて、IT機器そのものの情報管理もおこなえるため、より効率的な運用が可能です。(Mac OSの操作ログも取得できます)
ログの取得をお考えでしたら、ぜひ弊社までお問い合わせください。
また弊社では、取得したログをもとに内部不正や無断残業、メンタルヘルスなどのリスクを未然に検知するサービス「SS1 Risk Analyzer」もご提供しております。ログの活用・分析にお困りの方はお気軽にご相談ください。
IT資産管理ツールSS1/SS1クラウドを開発・販売している、株式会社ディー・オー・エスの営業企画部メンバーで構成されています。IT資産管理・ログ管理・情報セキュリティ対策など、情シス業務の効率化に役立つ最新トレンド情報を随時発信中!

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