プロジェクト“S”

「お客様目線」のパッケージソフトを目指して

社内のIT資産を効率よく管理するために誕生したSS1は、誕生から10年あまりが経過しました。

IT環境やお客様ニーズの変化に伴い進化し続けるSS1。その誕生から現在にいたるまでの道のりや開発のエピソード、今後の展望などを開発責任者に伺いました。

SS1開発者に聞く、SS1の誕生秘話と今後の展望

System Support best1、IT機器の普及とともに誕生!

― System Support best1(以下、SS1)の開発が始まったのは、いつ頃でしょうか?

開発責任者 村上(以下、村上):1998年です。すでに各企業では、ある程度IT環境が整備されていました。

パソコンやインターネットが普及しはじめ、PC用OSではWindows98が発売されました。OS上で使用できるソフトウェアの種類も右肩上がりに増加し、IT機器の普及が飛躍的に伸びた時代でした。

― Windows98ですか、懐かしいですね。当時、一般的にIT資産管理はどのようにおこなわれていましたか?

村上:当時”IT資産管理”という言葉はありませんでした。

企業のIT資産を管理し、運営をお手伝いする作業を「運用支援管理」と呼び、担当部門は他の業務と兼任でおこなっていました。方法も、機器に直接バーコードを貼り紙台帳で情報を管理するなど、1台1台を手作業でおこなっていました。時間と手間はかかるものの、なんとか対応していましたね。

SS1開発責任者 村上

SS1開発責任者(GM) 村上

― 手作業で、ですか。今では考えられないですね・・・

村上:そうですね。SS1は大手電機メーカーからの要望を受け、開発を始めたんですが、当時、お客様は約3,000台のPCを、エクセル表と自社ツールでの手作業で管理されていました。

そして、作業を担当されていた方たちは、この状況に問題意識を感じはじめていました。

今後、ますますIT機器やソフトウェアの数が増え続けることが予測され、その数が膨大なものになった時には「正確に把握・管理しきれなくなる」、「管理業務の負担が大きくなり、他の業務に手が回らなくなる」といった問題が発生するだろうと。しかもこれが近い将来、現実のものになるだろうと考えられていました。

― 担当者の間で「このままの管理方法ではいけない!」という問題意識が芽生えてきていたんですね。

村上:はい。これは現場だけでなく、企業全体にとっても重要な問題であるととらえられていましたが、具体的な改善方法はなく、回避する手立てが無い状況でした。

そんな頃、お客様から「IT機器や契約書などを管理できるツールが欲しい」という要望をいただきました。これが、SS1を開発するきっかけでした。

― なるほど、それでSS1の開発がスタートしたんですね。当時お客様からはどのような要望がありましたか?

村上:お客様が管理されているPCは大半がリース、レンタル機器でした。ですからお客様の要望としては、

  • PCなど、IT機器の台数と設置場所の管理をおこないたい
  • リース・レンタルなどの、IT機器に関する契約情報の正確な管理をおこないたい

というものがありました。SS1の開発は、これらを実現することからはじまりました。

― 開発にあたって、意識されたことはありますか?

村上:「効率的な管理がおこなえるソフト」であることを意識しました。

お客様の運用ストーリーに適した機能と操作性を、積極的に取り入れるということ。これは、現在の開発においても常に意識しています。製品が高機能でも、お客様が使用しなければ意味がありませんから。

― その頃から「お客様目線」の製品づくりを心がけていたんですね。その後開発はどのように進んでゆきましたか?

村上:ご要望の機能に引き続き、お客様の今後のIT環境を考慮して、IT資産管理の基本となる機能をメインに開発を進めました。 インストールソフトウェアを把握する「ソフトウェア管理機能」や、ネットワークの接続状況を把握する「システム管理機能」などがこれにあたります。

お客様のノウハウを提供いただきながら、製品は、およそ半年がかりで完成しました。1999年のことです。

SS1の名前の由来を語る村上

― IT資産管理ソフトSS1の誕生ですね!”System Support best1”という名前の由来をおしえてください。

村上:お客様からの「製品として、ナンバー1を目指しなさい」という言葉を受け、”System Support best1”と命名しました。

「いつまでもお客様に喜ばれるものを開発していくために、常に新しい技術を学び、お客様にとって”best1”のソフトウェアを目指して成長していこう!」という意味も込もっています。

お客様からご好評をいただき、パッケージ化へ

― ITの普及とともに誕生したSS1ですが、パッケージ化にいたる経緯を詳しく教えてください。

村上:元々、パッケージ化も視野に入れての開発を勧めていましたが、納品先のお客様から大変好評をいただいたことが、自信につながりました。

この時「他のお客様にも是非使っていただき、より多くの企業で、SS1をIT資産管理の業務に役立てていただきたい」というい思いが強くなり、パッケージ化に向けてのプロジェクトが本格的に立ち上がったんです。

― そこからどのようにプロジェクトは進みましたか?

村上:まずはパッケージ化にあたり多くのお客様の反応や要望をうかがうための市場調査を兼ねて、ITソリューションの展示会に出展しました。

当社はシステム開発の請負企業として出展し、SS1をソリューションの1つとして展示しました。

展示会ではデモ用のPCにSS1の管理操作画面を起動させ、操作を体験いただいたんですが、展示していたPCの周りに人が次々と集まり、スタッフの対応が追い付かないほどの大盛況になりました。

SS1パッケージ化のエピソードを語る村上

― 展示会での来場者の反応が、さらに自信につながったんですね。その時の様子を、もう少し詳しく教えてください。

村上:展示会では、SS1の機能説明をおこなったお客様から「使ってみたい」「便利だ」と大変ご好評をいただきました。このとき確かな手ごたえを感じたことを、今でも覚えています。幅広い業界の方々にご来場いただいたこともあり、業種を問わずご利用いただけるソフトウェアだということも確信しました。

また、この時来場者からたくさんの要望もいただき、これからどんな機能を追加開発すればよいか、その方向性も固まりました。

― いよいよパッケージ化に向けて本格的に動き出したSS1ですが、開発にあたりコンセプトはありましたか?

村上:「多機能で使いやすいSS1」ということをコンセプトに、それまでにいただいていたお客様からのご要望を踏まえ、IT資産管理をおこなう上で必要な機能を多数、追加で開発しました。

そして、IT資産管理に必須の機能を基本パッケージとし、お客様それぞれの課題に合わせてオプションの機能を選択いただくことで、状況に即した「理想のIT資産管理を実現する」ソフトが出来上がりました!

― 「多機能で使いやすい」ということですが、具体的にどういった機能が追加されましたか?

村上:IT資産管理機能の強化とともに、セキュリティ管理の機能を追加しました。

セキュリティ管理機能の開発は2003年から2004年にかけておこなわれたんですが、このころ世間では顧客情報の流出など、企業の情報漏洩事故について頻繁に報道され、たとえわずかな情報漏洩でも、企業にとっては命取りになり、軽視できない状況だという認識が広まっていました。お客様からのご要望にも、セキュリティ関連の内容が増え始め、そんな時代の流れをうけて、IT資産管理ソフトであるSS1に、セキュリティ機能を追加することになりました。

「必ず実現させなければいけない」、多機能で使いやすいソフトを目指して

― セキュリティ管理機能の追加という大きな仕様変更ですが、開発は順調に進みましたか?

村上:ソフトの根本的な仕組みについて大幅な変更が必要になり、大変でした。

2001年頃、SS1と並行して開発を進めていた”SSM”(Security Support Manager、以下、SSM)というセキュリティ管理ソフトがありました。SSMには、現在SS1に搭載されているセキュリティ管理機能の原型となる、メール監視・Web閲覧監視の機能があり、この2つを統合することになりました。

しかしこの統合が、簡単には実現できなかったんです。

― もともと存在する2つのソフトを統合することが、そんなに大変だったんですか?

村上:大変でした!

SSMでは、Webやメールの操作ログを、中継サーバーが一括収集していました。SS1にSSMを統合し、Webやメール以外のクライアント操作ログも収集できるようバージョンアップをおこなうにあたり、このままではサーバーに大きな負荷がかかってしまうことが予想されました。

そこでログの収集はクライアント側でおこない、必要に応じてサーバーに受け渡しをおこなうよう、根本的な仕組みを変更することになったんです。

SS1をはじめから作り直すほどの作業で、本当に大変でした。正直、何度も完成できないんじゃないかと不安になりました。しかしサーバーの負荷を軽減することは、運用しやすい環境を実現するためには必須のことで、「お客様が使いやすいソフトにするために、必ず実現させなければいけない」という使命感でいっぱいでした。

約1年がかりでこの大幅な仕組みの変更を終え、IT資産管理機能とセキュリティ管理機能の統合パッケージ化が実現しました。

SS1パッケージ化にあたり苦労した点を語る村上

― 統合後、SS1を導入されたお客様からは、どのような反響がありましたか?

村上:IT資産管理とセキュリティ管理の機能を1つのパッケージソフトにまとめたことで、「機能が充実した使いやすいソフト」として、大変ご好評いただきました。それまでIT資産管理とセキュリティ管理の機能が1つに統合されたソフトは存在しなかったため、画期的だったんです。「必要な機能が全部揃っている」とお客様から喜びの声をいただきました。

その他にも、IT資産管理機能を強化したことで「管理作業の手間が削減された」、「IT機器が増えても管理できて安心だ」、「複雑な操作方法がいっさい必要がなく、使いやすい」、「操作メニューがわかりやすい」など、評価をいただきました。

お客様からの喜びの声が、1番の励みになります。統合パッケージ化してよかったと、心の底から思いました。

経験から学んだ「お客様目線」、サポートの大切さ

― パッケージソフトとして順調に歩みだしたSS1ですが、パッケージソフトの導入作業やサポート対応は、この時点では、ほぼ未経験ですねよ?

村上:そうですね。特にサポート対応は、日々勉強でした。

今日では素早いサポート、導入やバージョンアップの事前検証、お客様へのリスクの事前提示などを徹底していますが、自慢の”お客様目線”のサポートは失敗や経験の中で培われました。

― 導入作業やサポート対応で、特に印象に残っているエピソードを教えてください。

SS1の導入、サポート対応時のエピソードを語る村上

村上:バージョンアップの翌日に、お客様のクライアント200台が止まったことがありました。

とにかく、急いでお客様のところへ向かいました。それまでに経験のなかったトラブルなので、本当に驚きました。

原因は、お客様の既存アプリとSS1の相性でした。導入前に、お客様環境をもっと詳細にヒアリングし、検証しておけば発生しなかったトラブルです。事前検証の大切さを思い知った出来事でした。

また、トラブル時の迅速な対応や丁寧な現状説明、再発防止策の提案など、当社の迅速な対応が評価され、これをきっかけにお客様との信頼関係が深まりました。サポートの大切さについても実感するいい経験になりました。

― ”お客様目線”という姿勢はサポートだけでなく、開発においても同様ですか?

村上:はい、もちろんです!SS1の開発は、実際に使っているお客様からの声を大切にし、これまで進めてきました。

例えば、実際のPC設置状況とSS1のPC設置場所情報を照らし合わせ、データの整合性が確認できる機能、いつ、どのような情報が変更されたか、日時を指定して確認できる差異表示機能など、実際に使う人の声から生まれた機能が多数搭載されています。

その結果、SS1はIT資産の運用を支援する機能が充実し、使いやすいソフトウェアとしてご好評いただいているんだと思います。

― 「お客様に育てられたソフト」とも言えますね。

村上:そうですね。導入ユーザー様の増加とともに、ご要望も増え、機能が更に充実していきました。

「現状より詳細な管理設定がおこないたい」、「対応機器を拡張してほしい」、「エージェントの展開方法を充実させてほしい」など、社内環境、管理台数によってさまざまなご要望がありました。

クライアントへのエージェント展開方法も、1台1台手作業でおこなう方法からログオンスクリプトを使用した自動展開まで、ご要望の多様化にあわせ、設定ツールを充実させていきました。

また、必要に応じてオプション機能を随時追加できるというパッケージ体系も、ご好評いただいています。

今後もお客様にとっての「best1」を目指して、多様な環境と管理体制に対応

― お客様のご要望は、時代とともに変化してきていますか?

村上:世の中の動向とともに変化してきています。

当初はIT資産管理に関するご要望がメインでしたが、次第にセキュリティ管理やログ管理に関するご要望が増え、最近ではソフトウェア情報の管理や、ソフトウェアライセンスの管理に意識が高まっているようです。

SS1はお客様のIT環境や状況の変化に合わせ、お客様の声をたくさん聞き、ご要望をたくさん取り入れてきました。常にお客様にとって”best1”のソフトウェアであることを目指しているんです。

― お客様にとっての”best1”、それはどういうことだと考えていますか?

村上:実際に使用するお客様全員に「ベストなIT資産管理ソフトだ」と思われるソフト。それがお客さまにとっての”best1”だと考えています。

もちろん「製品」としては、導入社数や売上という数字も大事ですが、私としては「顧客満足度」を一番に考えているんです。

SS1の今後の展望について語る村上

一般的にソフトウェア開発の現場では、作り手側の考える「高性能」な機能の開発に重点を置いてしまいがちで、結果ユーザー視点に欠ける「独りよがり」な製品になってしまうことが多くあります。 ですから私は、お客様により必要とされるソフト、お役にたてるソフトであることを目指し「お客様目線」の開発を心がけています。

実際、SS1の保守継続率は97.5%という高い数字を獲得しています。お客さまにとって「最上級」のソフト、長く愛用いただけるソフトウェアを目指し、これからもSS1は成長し続けます!

― 今後もお客様のご要望に合わせ、SS1は成長し続けるんですね。では、SS1の今後の展望を聞かせてください。

村上:主に3つの課題への取り組みを検討しています。

1つめの課題は、導入企業のワークフローシステムとSS1の連携です。

例えばUSBの利用申請など社内のセキュリティ規約に関する承認処理を、別のシステムを使用しSS1の管理者以外が承認をおこなっている場合、SS1管理者への連絡とSS1の設定変更を別途おこなう必要があります。これでは「使いやすい」とは言えませんよね。

お客様の既存ワークフローと連携させ、より業務と密接に関連したIT資産管理をおこなえる仕組みを実現させたいですね。

― ワークフローシステムとの連携で、業務フローに即したIT資産管理を実現させるということですね。では2つ目の課題は?

村上:SS1の提供方式を多様化させることです。

企業のIT環境や管理体制は多様化しています。今後クラウドの普及が進めば、パッケージとしてのライセンス販売だけでなく、ASPやSaaSでのサービス提供を考えています。

― クラウド環境への対応、ということですね。では3つ目の課題は?

村上:ソフトウェア資産管理(SAM)の、さらなる強化です。

現在、SS1のソフトウェア資産管理機能は、他社より一歩リードしていると自負しています。棚卸記録の管理やグループ単位での分担管理など、実際の管理作業に役立つ機能の充実。そしてボリュームライセンス等さまざまなライセンス形態や、ダウングレード使用などへの対応。こういった機能はユーザー様の声を反映して開発しました。

PCへのソフトウェアインストール数とライセンス数の過不足管理、ライセンスの割り当て管理だけでは、SAMに対応しているとは言えません。

SS1はこれらの充実したSAM機能を利用し、コンサルティングや指導など、プロフェッショナルなサービスを提供したいと考えています。

SS1のユーザー様に向けてメッセージを語る村上

― 既に他社より一歩先を進んでいるSAM機能は、さらに現場のニーズに則して進化するということですか。これは期待できますね!

今後も動向から目が離せないSS1ですが、最後に一言、お願いします。

村上:これからは機能追加だけではなく、現在の搭載機能をいかに効率よく、活用いただけるようバージョンアップさせるかに重点を置きたいと考えています。SS1を100%活用いただけるよう、さらに簡単で使いやすく。たくさんのご意見を反映させ、奥の深いソフト開発に努めます。

今後もIT資産管理ソフトSS1にご期待ください。

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